送別会を前に、いろいろ気になるのが「予算」についてではないでしょうか。
本記事では、送別会にまつまる「お金」について解決できるよう以下の内容をまとめています。
- ●会費の金額相場や必要項目
- ●会費の抑え方や集め方
- ●寸志の金額相場や渡し方
- ●会社負担になるかの判断基準
送別会の準備を任されている幹事さん、送別会に参加できない上司や部下、同僚、そして送別会で送り出される主役本人と、どの立場の方にとっても参考になりますので、ぜひ、本記事をご活用ください!
送別会の予算|会費の金額相場
送別会の予算相場は1人当たり3000円~5000円です。送別会の規模や内容によって相場より低く抑えられたり、逆に高く設定されたりします。送別会の予算は参加者の負担や満足度に直結するため、相場を目安にしながら適切な金額に落ち着かせましょう。
ちなみに、日経ウーマンがオンライン上で実施したアンケートによると、上司の送別会の1人当たりの平均予算は「4000~6000円未満」が52.7%で最も多く、次に「2000~4000円未満」が22.7%でした。同僚・部下の送別会の1人当たりの平均予算では「4000~6000円未満」が44.8%、「2000~4000円未満」が36.0%という割合です。
アンケート結果からも、送別会の対象に関係なく1人当たり「6000円」までの予算で組まれることが一般的であるとわかります。
参照:送別会の成功の秘策は? 読者の幹事スキル、教えます|日経xwoman
送別会の予算|会費に含まれるもの
送別会の予算は参加者から集める「会費」の総額を目安に立てるため、会費に含まれる各項目について詳しく確認していきましょう。
- 飲食代
- 会場費
- 花束&プレゼント代
- 予備費
それぞれのポイントについて解説します。
飲食代
送別会予算の大部分は「飲食代」です。参加者にとっての満足度にもつながるため、金額だけで決めてしまわず料理や宴会プランなどを吟味しながら設定しましょう。
ひとつの方法としては、まず相場である「3000円~5000円」の範囲で選択肢を予算別に数店舗しぼります。あとは参加人数に応じて花束&プレゼント代の一人当たりの負担を加味しながら妥当な飲食店を決定するという手順です。
また、飲食店をピックアップしていく中で、会場使用料や最低保証料金といった飲食代以外の費用についても合わせて確認していきましょう。一般的な居酒屋やレストランなら飲食代だけで利用できる場合が多いですが、ホテル宴会場やレンタルスペースなどは飲食代以外の料金が必要な場合があるためです。
会場費
ホテル宴会場やレンタルスペースに加え、一般的な飲食店でも「貸切」の場合は会場使用料が別途かかるかもしれません。また、最低保証料金を設定している会場へは参加人数に関係なく保証料を払う必要があります。
会場費が発生する場合は参加者の負担となりますので、その範囲や内容、特典、サービスなど料金システムを十分確認しておきしましょう。
花束&プレゼント代
送別会で主役に贈る花束&プレゼントも会費に含まれますので、それぞれの相場を参考に予算を立てましょう。
■花束代
・同僚(異動、転職)……3000円~
・上司(異動、退職)……5000円~
・上司(定年退職)……1万円~
■プレゼント代
・1人当たりの予算は500円~1000円程度 ※参加人数による。
・予算相場は「3000円」~「30000円」 ※主役の役職で異なる。
たとえば対象者に合わせた花束代とプレゼント代を仮定して参加者1人あたりの負担額が妥当かどうか算出します。飲食代との兼ね合いも考えながら適切な会費を設定していきましょう。
送別会の花束やプレゼントについては詳しく書かれた記事がありますので、よければ合わせてご覧ください。
予備費
送別会では予定外の時間延長や参加者のドタキャンなど不測の事態が発生するかもしれません。当日になって困らないよう、いくらか予備費を予算に組んでおきましょう。
もちろん送別会の翌日以降に追加徴収するのもNGではありませんが、参加者にとっては出費が重なるため気分的にも負担となります。もし予備費を使うことなく余った場合は、二次会に充てたり、参加人数で割って返金したりなどで対応しましょう。
送別会の予算|会費の抑え方
送別会の会費を抑えるなら、ちょとした「工夫」をしていきましょう。
- ●お店のプランやキャンペーンを活用する
- ●豊富なジャンルの飲み放題を付ける
- ●役職によって差をつけるのもひとつ
それぞれのポイントを紹介します。
お店のプランやキャンペーンを活用する
送別会の会場をリサーチするときは金額だけではなく、お得なプランやキャンペーンにも着目しながら候補をしぼっていきましょう。
・早めの予約で早期割引の対象にならないか調べる。
・幹事無料プランがあれば主役の飲食代に替えられる。 ※幹事はそのまま負担。
豊富なジャンルの飲み放題を付ける
送別会のような飲み会では単品でドリンクを注文するより飲み放題にしておくのが定番です。ただ、飲み放題は参加者全員に一律で適用されるため、お酒を「飲む人」と「飲まない人」で差が出ないようにしましょう。
どちらかに偏ったメニューですと、飲み放題以外のドリンクを追加オーダーすることになり予算が膨らみます。飲み放題を付けるときは、「アルコールの種類が充実しているか」「ノンアルコールドリンクやソフトドリンクが複数あるか」といった豊富なジャンルにも注目しましょう。
役職によって差をつけるのもひとつ
全員一律の参加費は公平性がありますが、会社主催など幅広い年代や立場の参加者が集まる送別会では役職者の会費を高く設定するのもひとつ。ただ、幹事の独断で勝手に決定するのは好ましくありませんから、慣例に従ったり、上司に相談したり、適切に対応しましょう。
送別会の予算|会費の集め方
送別会の会費徴収は「参加者」と「主役本人」とで対応が違いますので、それぞれ分けて見ていきましょう。
参加者からは事前徴収がおすすめ
参加者からの会費はできるだけ事前徴収しておきましょう。業務終了後の開催ですと開始までバタバタしますし、会場での徴収となると送別会の主役が居合わせている場合に気を遣わせてしまいます。
会費の徴収漏れを防ぐには、参加者リストを作成しておくのもポイント。また、なるべくお釣りが出ない金額設定にしておくと徴収そのものがスムーズです。
送別会の主役本人からは徴収しない
送別会の主役は送り出される本人ですから会費は徴収しません。したがって主役の飲食代は参加者の会費に含まれることになります。
もし主役にも送別会の案内状や案内メールを出すときは、必ず会費を未記載にしておくようにしましょう。
送別会の予算|寸志の金額相場と渡し方
送別会では会費とは別に「寸志」を用意する場合があります。
・送られる側……会費は徴収されないが感謝を伝えたい。
送別会の参加者は会費を払うので必要ありません。ただ、主役本人は会費を徴収されないものの、予算の足しになるよう飲食代程度を用意するのがマナーとされています。
ここからは寸志の金額相場や好ましい渡し方について確認しましょう。
寸志の金額相場
寸志は「心付け」といって「心ばかりの」という意味ですから、大きな金額を包む必要はありません。「会費と同程度か少し多めに」を目安にしながら、主役との関係性に合わせて設定しましょう。
・同僚が同僚の送別会に出す場合……3000円~5000円
・部下が上司の送別会に出す場合……3000円~5000円
・主役が本人の送別会に出す場合……3000円~5000円
寸志の渡し方
寸志は会費のように財布からそのまま渡すのではなく、白い封筒などに入れて渡しましょう。表書きも立場によって異なりますので気をつけたいポイントです。
・同僚が同僚の送別会に包む場合……「餞別」
・部下が上司の送別会に包む場合……「謹呈」
・主役が本人の送別会に包む場合……「御礼」
「お別れ」がテーマの送別会ではご祝儀袋やのし袋に包まなくてかまいません。ただ、送別が栄転や独立といったおめでたい理由であれば「花結び」か「赤棒」が印刷されたのし袋を使ってもいいでしょう。
送別会の予算|会社負担になるケース
送別会の予算を「経費」として会社負担にする場合は「会社主催で全従業員を対象にしていること」が条件。これは経理上の福利厚生費に該当するためです。参加者が「部署だけ」「仲間内だけ」といった限定的なものであれば経費として計上できないため会社負担にはならないでしょう。
ただし、全従業員の参加が条件というわけではなく、全従業員に案内した結果、一部の従業員が不参加であった場合は福利厚生費が適用できます。送別会にかかる費用が会社負担になるかどうかは会社によっても違うため一般的な事例を参考にしながら担当者と相談してみてはどうでしょうか。
・月間で一人当たりの福利厚生費を決めている会社であれば一部参加でも認められる場合がある。
・給与から「組合費」や「社内積立」が天引きされていれば内容によって認められる場合がある。
まとめ
送別会の会費は「飲食代」「会場費」「花束&プレゼント代」「予備費」で構成されます。予算相場は「1人当たり3000円~5000円」で、「6000円」までで納めるのが一般的な傾向です。
幹事さんは、お得なプランや飲み放題のラインナップにも着目しながら会場を選んで予算を抑えたり、参加者と主役本人とで徴収への対応を分けたり。どうしても参加できない方が「寸志」という形で気持ちを伝え、会費を徴収されない主役本人は「御礼」として会費程度の金額を用意するのもマナーです。
経理においては会社負担になるケースも考慮しながら、予定している送別会に応じた適切な計上をしましょう。
尚、送別会の幹事の仕事については詳しく書かれた記事がありますので、よければ合わせてご覧ください!