【例文付き】式次第とは? 式次第・会次第・会議次第の書き方をテンプレートで解説

式典やセレモニー、イベントなどで使う式次第は、ふさわしい書き方で準備したいもの。

式次第ってどんなもの? プログラムのこと? 
式次第を書くときの書式や構成、作成方法は?
式次第の作成に役立つテンプレや例文がほしい

このような、式次第にまつわる疑問や課題を本記事で解決しましょう!

◆この記事でわかること

  1. 式次第の意味や『プログラム』との違い
  2. 式次第の種類や基本構成などの書き方
  3. 式次第・会次第・会議次第のテンプレート

ぜひ、本記事をご活用いただき、これからの準備や当日の進行にお役立てください!

式次第とは? 

式次第とは、式典や儀式などの流れを箇条書きにした進行表のような文書のこと。

式次第があることで、主催者にとってはスムーズな進行、出席者にとっては催しの内容や順番がわかります。

式次第が使われる場面

・入社式
・入学式
・卒業式
・結婚式
・竣工式
・除幕式
・記念式典
・社員総会
・株主総会

そもそも「次第」という言葉には「進行表」の意味があるため、会議や講演会、研修会、懇親会、歓送迎会、忘新年会などの場合は「会次第」とされることもあります。

どちらかというと「式次第」には厳粛なイメージがありますので、格式の高い行事に用いられることが一般的です。

一方で、「会次第」は、ややカジュアルな会合やパーティー、セレモニーの開催において使用されます。

式次第とプログラムの違い

式次第と混同されるのが「プログラム」ですが、式次第はイベントの流れを記載した「進行表」で、プログラムはイベント全体の「流れ」や「項目そのもの」を指します。

式次第の種類

式次第には「展示用」と「配布用」の2種類がありますので、それぞれの特徴やメリット・デメリットを確認しておきましょう。

展示用の式次第

会場の入口付近やステージ横などに大きな紙で貼り出されるタイプです。

【メリット】
・どこからでも進行が確認できる。
・出席者への配布を省略できる。
・格式ある厳かな雰囲気になる。
【デメリット】
・大きな紙に印刷しないといけない。
・手書きでは手間や完成度が求められる。
・出席者が自分の手元で見られない。

配布用の式次第

出席者に書面やカードなどで個別に配布されるタイプです。

【メリット】
・出席者が自分の手元で見られる。
・進行以外の内容も記載できる。
・イベントに出席した記念になる。
【デメリット】
・作成に手間とコストがかかる。
・スタッフに配布の負担をかける。
・式中、出席者の意識が式次第に向く。

式次第の書き方

ここでは、式次第の基本的な構成と書式について紹介します。

式次第の基本構成

式次第の基本的な構成は以下の通りです。

・行事の名称
・日付(省略あり)
・式次第(会次第)
・流れ、項目
・以上(締めくくり)

このような構成で書かれた書式ごとのテンプレートを見ていきましょう。

式次第の書式(縦書き)

縦書きの場合は、すべての項目を「一、 ○○」という書き方で流れに沿ってまとめましょう。

手書きであれば毛筆を使用し、印刷する場合は、明朝体や毛筆体などの書体で作成すると印象として文書の格が上がります。

たとえば、社外の来賓やエグゼクティブなゲストが出席するフォーマルな式典では縦書きがおすすめです。

式次第の書式(横書き)

横書きの場合は、すべての項目を「1.2.3.」と算用数字で表記してもかまいません。

手書きであれば毛筆を使用し、印刷する場合は、明朝体や毛筆体などの書体で作成すると締りのある文書に仕上がります。

たとえば、社内向けの定例行事やパーティーを兼ねたイベントなどでは横書きの式次第でも印象を損いません。

【例文】式次第のテンプレート

社員総会や株主総会、表彰式など、厳粛な雰囲気で執り行われる行事には式次第として作成しましょう。

書式は縦書きでも横書きでもかまいませんが、横書きの場合は「1.2.3.」と算用数字でナンバリングすると見やすくなります。

ここでは、よくある式典の式次第テンプレートを紹介しますので、予定している行事に合わせてご活用ください。

社員総会のテンプレート

社員総会は社内向け行事ですが、大規模な場合や表彰式などの式典を兼ねている場合は式次第として作成するとよいでしょう。

株式会社○○
令和○年○月 社員総会

式次第

一、 開会挨拶
一、 社長挨拶
一、 表彰式
一、 前月度報告
一、 各部署 決意発表
一、 閉会挨拶

以上

株主総会のテンプレート

株主総会では、事業報告や決議事項の審議を行い、質疑応答や議案の採決などが行われるのが一般的です。

株式会社○○
第〇期 定時株主総会

式次第

一、開会の辞
一、議長による開会挨拶
一、監査役による監査結果の報告
 常勤監査役 ○○○○
一、代表取締役社長による事業報告
 代表取締役社長 ○○○○
一、決議事項の審議
【議案】
第1号議案 ○○○○の件
第2号議案 ○○○○の件

一、質疑応答
一、議案の採決
一、閉会の辞

以上

表彰式のテンプレート

表彰式の場合は、表彰式までに販売実績や営業成績などの業績を報告し、表彰式後は来期への目標や決意を発表するのが一般的です。

株式会社○○
表彰式

式次第

一、 開会の辞
一、 代表取締役社長 挨拶
一、 前月度業績報告
一、 表彰授与式
一、 各部署代表による決意表明
一、 閉会の辞

以上

入社式のテンプレート

入社式では、新入社員の紹介や辞令交付をメインにしながら、新入社員や既存社員から挨拶するのが一般的です。

株式会社○○
入社式

式次第

一、 開会の辞
一、 代表取締役社長 挨拶
一、 新入社員紹介
一、 辞令交付
一、 新入社員代表 答辞
一、 役員・先輩社員からの歓迎の挨拶
一、 閉会の辞

以上

内定式のテンプレート

内定式では、内定者の紹介や内定証書の授与をメインにしながら、内定者や既存社員から挨拶するのが一般的です。

株式会社○○
内定式

式次第

一、 開会の辞
一、 代表取締役社長 挨拶
一、 内定者紹介
一、 内定証書授与
一、 内定者代表 挨拶
一、 役員・先輩社員からの歓迎の挨拶
一、 閉会の辞

以上

【例文】会次第のテンプレート

祝賀会や周年記念パーティー、忘新年会、歓送迎会など、イベント性の強い行事は会次第として作成するのが適切です。

書式は縦書きでも横書きでもかまいませんが、横書きの場合は「1.2.3.」と算用数字でナンバリングすると見やすくなります。

ここでは、よくあるイベントの会次第テンプレートを紹介しますので、予定している行事に合わせてご活用ください。

周年記念のテンプレート

周年記念の場合、式典のほかに飲食をともなうパーティーも兼ねているなら、祝辞や表彰などのプログラムを取り入れて、乾杯の挨拶で食事や歓談にすすめましょう。

株式会社○○
創立○周年記念パーティー

会次第

一、 開会の辞
一、 代表取締役社長 挨拶
一、 来賓祝辞
一、 功労者表彰
一、 記念映像上映
一、 乾杯の挨拶
一、 歓談・食事
一、 閉会の辞

以上

忘新年会のテンプレート

忘新年会では、代表者の挨拶のほか、乾杯の挨拶、中締めの挨拶、開会と閉会の挨拶でメリハリをつけながら進行するのがポイントです。

株式会社○○
忘年会(新年会)

会次第

一、 開会の辞
一、 代表取締役社長 挨拶
一、 乾杯の挨拶
一、 歓談・食事
一、 余興・ゲーム大会
一、 締めの挨拶
一、 閉会の辞

以上

歓迎会のテンプレート

歓迎会の対象者を明記しながら、歓迎する側と歓迎される側が挨拶できるような流れを作りましょう。

株式会社○○
新入社員歓迎会

会次第

一、 開会の辞
一、 代表取締役社長 挨拶
一、 新入社員・新メンバー紹介
一、 乾杯の挨拶
一、 歓談・食事
一、 歓迎の辞(役員または幹部より)
一、 新入社員代表 挨拶
一、 先輩社員からの激励の挨拶
一、 閉会の辞

以上

送別会のテンプレート

送別会の場合は、誰のための会なのかを明記した上で、送る側と送られる側が挨拶できるような流れを作りましょう。

○○部長 送別会

会次第

一、 開会の辞
一、 代表取締役社長 挨拶
一、 送別される方の紹介
一、 乾杯の挨拶
一、 歓談・食事
一、 送別の辞(役員または幹部より)
一、 送別される方の挨拶
一、 先輩社員・同僚からの送別の言葉
一、 閉会の辞

以上

懇親会のテンプレート

懇親会は、飲食を中心にした交流がメインですので、自己紹介や乾杯、歓談などを軸にした構成にしています。

株式会社○○
懇親会

会次第

一、 開会の辞
一、 代表取締役社長 挨拶
一、 参加者 自己紹介
一、 乾杯の挨拶
一、 歓談・交流タイム
一、 閉会の辞

以上

【例文】会議次第のテンプレート

社内での会議や少人数での会合であれば、会議次第を用意しましょう。

会議次第は「アジェンダ」と呼ばれることもあります。

会議次第の基本構成

・会議名
・日時
・場所/オンラインURL
・参加者
・司会者
・議事録作成者

参加者への告知や配布に使用するため、メールのように横書きのゴシック体でかまいません。

基本構成に沿ったテンプレート

会議名:第○回 ○○プロジェクト 定例会議
日時:2025年○月○日(水)10:00〜11:30
場所:本社会議室A/オンライン(Zoom)
参加者:田中部長、佐藤課長、鈴木主任、○○部社員
司会者:鈴木主任
議事録作成者:山本

議題がある場合のテンプレート

会議名:営業部 週次定例ミーティング
日時:2025年○月○日(○)9:00〜9:45
場所:第1会議室/オンライン(Zoom)
参加者:営業部全員(部長、課長、各担当者)
議題:
・先週の営業実績報告(各担当者)
・今週の営業活動計画
・課題共有と対応策の検討
・その他連絡事項(部内イベント、社内通達など)
司会者:営業部長 田中一郎
議事録作成者:営業課 山田花子

会議次第は、会議のスムーズな運営を目的に作成します。

会議の目的やテーマに沿って、ふさわしい内容でまとめましょう。

式次第の作成方法

式次第や会次第を作成する方法は大きく分けて3つあります。

  1. 手書き制作
  2. 自社で制作
  3. 業者に依頼

毛筆での「手書き」は文書の印象として格が上がりますが、展示用では大きな紙に書くためバランスよく仕上げられるようにしましょう。

自社での制作は展示用でも配布用でも自由なレイアウトでコストを抑えながら仕上げられますが、プリンター環境やデザインスキルが必要です。

ある程度の予算が捻出できるのであれば、業者に依頼すると高品質で完成度の高いものが期待できます。ただし、サイズや枚数によっては納期に時間がかかるため、早めに手配するようにしましょう。

まとめ

式次第とは、式典やセレモニーなどの流れを箇条書きにした進行表のような文書のこと。

イベントをスムーズに進行させたり、出席者に流れを周知したりするために作成します。

式次第のほかにも会次第や会議次第などがありますが、「次第」という言葉に進行表の意味があるため、行事やイベントに合わせて使い分けるのもポイント。

どちらかというと「式次第」には厳粛なイメージがあるため、格式の高い行事に用いられることが一般的です。

一方で、「会次第」は、ややカジュアルな会合やパーティー、セレモニーの開催において使用されます。

さらに、社内での会議や少人数での会合であれば、いわゆる「アジェンダ」にあたる会議次第を用意しましょう。

本記事では、式次第の書き方や作成方法のほか、会次第や会議次第を含めたテンプレートと例文も紹介しました。

ぜひ、本記事を参考にしながら、これからの準備や当日のスムーズな進行にお役立てください。

尚、宴会や飲み会における式次第や会次第に沿った挨拶例文については、参考になる関連記事がありますので合わせてご参照ください。

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