懇親会とは?実施する意味と最低限知っておきたいマナー

皆さんは懇親会がどんな会かきちんと分かっていますでしょうか?懇親会という言葉から、何らかの交流会という事は分かっても、目的やマナーまで知っている方は少ないと思います。

●親睦会と懇親会の違いって何?
●懇親会の大まかな流れが分からない
●懇親会の服装マナーを知らない

このような懇親会に関する疑問や不安を抱えている方のために、この記事では以下の流れで懇親会について説明していきます。

この記事を読めば懇親会に参加する時も企画する時も迷うことがなくなります。懇親会で交流に集中するためにも、この記事を最後までチェックしましょう!

懇親会とは?ー懇親会と親睦会の違いー

懇親会がどんなものか聞かれた時に、「親睦を深める会」と答えたくなりますよね。そこで気になるのが親睦会と懇親会の違いです。ここでは懇親会の定義を確認するためにも親睦会との違いについて紹介します。

懇親会の意味・目的

懇親会は、「懇親」という言葉の意味にある通り、互いに打ち解けて親しくなるために交流する会です。読み方は「こんしんかい」です。懇親会の開催は、組織やグループの意義を再確認し結束を高めたり、関係者の意思疎通を図ったりなどすることを目的にしています。

親睦会との違い

交流を深めるためのか「親睦会」があります。読み方は「しんぼくかい」です。懇親会と同じく、親しく仲良くすることを目的にしています。懇親会と親睦会の違いは以下の通りです。

・参加者同士がすでに顔見知りであることが多い。
・参加者は同じ組織やグループに属し、日頃から交流がある。
・参加者同士の仲を深めることが単純な目的である。

・参加者とは初対面であることが多い。
・日頃の交流はあまりないが、参加者同士が同じ目的や共通の課題をもつ。
・参加者同士が親しくなることで、目的や課題に取り組みやすくする。

懇親会と親睦会の呼び分け

懇親会と親睦会の違いを分かった上で、幹事としてどちらの呼び名で会を催すか迷う場面もあると思います。そんな時は催したい会のカジュアルさで判断するとよいでしょう。懇親会に比べ、親睦会の方がカジュアルなのも特徴です。

たとえば親睦会の例として、サークルの飲み会があります。ごく限られた人たちが集まり、仲を深めることだけを目的にしているため、親睦会としての要素が強くなりますです。

しかし会を催す際は、厳密に呼び分けにこだわる必要はありません。「みんなで集まって仲良くやろう」という意味であれば、イベントの呼び名が懇親会でも親睦会でも問題はないです。

よくある懇親会の種類と目的

ここではよくある懇親会の種類とその目的を紹介します。自分が参加する懇親会の目的を再確認する時に参考にしてください!

会社の社員懇親会

会社が、従業員を集めて行うのが社員懇親会です。社員懇親会には、以下のような目的があります。

・他の部署など、日頃の交流がない社員同士で親しくなる。
・会社側が社員とビジョンを共有し、組織の士気を高める。
・新入社員や異動社員などを迎えた際、参加者同士で関係を築く。

たとえば、同じ部署内の数人で、もしくは同期の社員だけで飲み会をするなら「親睦会」です。会社の社員懇親会はより正式な社内行事である場合が多いでしょう。社長や専務などの重役が参加することもあります。

会社関係の忘年会や新年会でも、参加者や目的によって「懇親会」「親睦会」に分かれるので、注意してください。

就活生の内定懇親会

会社が、内定した就活生を集めて行うのが内定者懇親会です。内定者懇親会を開く会社側の目的には、以下のようなものがあります。

・内定者の入社辞退を防ぐ。
・会社のことを深く知ってもらう。
・入社後の勤務意欲を高める。

案内を受けた就活生にしてみれば、「最終評価を受けるのではないか」と不安になるかもしれません。内定者懇親会は就活生を評価したり、内定を取り消したりするためのものではないので安心してください。

また、参加は強制されるものではありません。ただし、「入社を迷っている」「入社の意志は固いが仕事への不安がある」という場合は参加をおすすめします。

内定者懇親会には、ほかの就活生や年齢の近い先輩も同席するので、参加して解決できることもあります。人事担当の社員などに率直な相談をするのも有効です。

学校関係の懇親会

学校関係の懇親会は様々あります。たとえばPTA懇親会やクラブ懇親会、学年懇親会などです。学校関係の懇親会には、以下のような目的があります。

・保護者同士の顔合わせをし、交流を深める。
・先生と保護者の交流を深め、連携を高める。
・共通の課題や問題への取り組み方を議論する。

学校では、生徒同士や生徒と先生の間には日頃から交流があります。ただ、保護者は学校に通っていないため、ほかの保護者や先生と面識がないのが通常です。

したがって、親同士は子供を通じた同じ目的や共通の課題をもっているものの、日頃は関係者との直接的な交流がありません。そこで懇親会を機に、多くの関係者が親しくなるために行われます。

また、参加者同士で役割分担を明確にしたり、スケジュールを決めたりなどし、組織の運営をスムーズにするのも目的の1つです。

地域関連の懇親会

地域における懇親会も多種多様です。自治会や商店街、共同住宅など、住まいや暮らしに関わる領域で開催されます。地域関連の懇親会には、以下のような目的があります。

・そこに暮らす人や、そこで商売をしている人などが集い、親しくなる。
・必要な情報を交換したり、意見を出し合ったりなどする。

地域関連の懇親会は地域や居住場所によって異なりますが、住民の社会生活や自治が円滑になるようにとの目的で行われます。

懇親会の内容は?種類別のプログラム例

懇親会では、一般的な流れがあります。幹事としてプログラムを作成する時にお役立てください。

社員懇親会は飲み会や旅行などが多い

◆ある会社のプログラム例
・挨拶
・飲み会・食事会・旅行など
・余興
・閉会
・記念撮影

・同じ会社という限定的な単位で開催されるため、初対面であっても親睦会に近い場合があります。
・場合によっては2部制で、1部に会議や研修が行われることもあります。

就活生懇親会は歓談や研修が中心

◆ある会社のプログラム例
・受付
・担当者の挨拶
・スケジュール案内
・内定者自己紹介
・社長からひとこと
・会社紹介
・新入社員向けの研修
・内定者からの質問
・休憩
・歓談(食事・お菓子・お茶など)
・内定者の目標発表
・質疑応答
・締めの挨拶

・内定者の不安や疑問を解消できるよう、企業説明会のような要素があります。
・入社後、内定者が仕事や職場に早くなじめるようにするための配慮をしましょう。
・必ずしも食事会があるわけではなく、軽食だけ、飲み物だけという場合もあります。

学校のあるある懇親会はPTA懇親会

◆ある小学校のPTA懇親会
・開会の挨拶
・PTA会長の挨拶
・学校長の挨拶
・乾杯
・歓談
・締めの挨拶
・閉会

・保護者同士の仲を深めるだけでなく、先生達との関係を構築する会である事も意識しましょう。
・保護者側のPTA会長と、学校の校長先生という二人の挨拶の時間が入ります。

地域の懇親会には勉強会もある

◆ある地域の自治会懇親会
・会長の挨拶
・参加者の自己紹介
・各種報告
・防災訓練についての勉強会
・お茶とお菓子(歓談)

・行政機関の情報や通達を、地域に広める目的もあります。
・個人的な交流よりも、個々の連携や声がけなどが上手くいくような関係を築きます。

参加者は必読!懇親会を楽しむためのマナー7つ

懇親会に参加するからには、マナーを心得て楽しみましょう。絶対に押さえておきたい具体的なマナーをいくつか紹介しますので、ご参考にしてください。

懇親会にふさわしい服装をする

懇親会は「打ち解けて親しくなりましょう」というものなので、基本的にはラフな服装でかまいません。ポイントは懇親会の内容にふさわしいかどうかです。懇親会の種類ごとに解説しますので、ぜひ参考にしてください。

◆社内懇親会の場合
就業日に行われるなら出勤時の服装で参加します。退勤後、着替えて会場へ移動するなら普段着でもいいですが、派手な服装や露出度の高い服装は避けましょう。旅行の場合はトレーナーやジーンズを着用してもかまいません。

◆内定者懇親会の場合
指定がない限りスーツが好ましいですが、私服を指定された場合は上品なカジュアルスタイルがいいでしょう。髪型や持ち物も「内定者」であることをわきまえれば、印象を悪くすることはありません。

◆学校関係の懇親会の場合
学校で集まる場合は、スーツやアンサンブルなどのカジュアルフォーマルを着用します。スポーツなど屋外でイベントがある場合は、運動着や軽装で大丈夫です。

◆地域関連の懇親会の場合
常識的な服装であれば、普段着や軽装でかまいません。ただし「きちんと感」は出しておくようにしましょう。

懇親会の服装については下記の記事でより詳しく紹介しています。服装を決めている方やコーディネート例を知りたい方はぜひご覧ください。

懇親会で恥ずかしくない服装を男性・女性別に徹底解説

食事やお酒の席では座る位置を考える

懇親会とはいえ、参加者の上下関係が明確な場合は座る位置に気をつけましょう。会場にもよりますが、席には基本的に「上座」と「下座」があります。

下座は入り口付近をさしますので、指定がなければ自分の立場を考え、ふさわしい席に座るようにしてください。ただし、前から詰めるように指示された場合は積極的に前方に座るのがマナーです。

乾杯する相手や順番に気を配る

会社の重役や学校のOBが参加するような懇親会では、乾杯に気を配りましょう。全体で乾杯をした後、対象者と個別に乾杯する暗黙のルールがある場合が多々あります。

たとえば、最も上の立場の人から順番に乾杯をするなどのルールがあります。もし重役やOBが参加するとわかっているのであれば、普段の飲み会よりも少し気を使うようにしたり、当日の場の空気を見るようにしましょう。

節度をもって羽目を外しすぎない

懇親会の目的が「お互いに打ち解けて親しく交流する」でも、節度をもって楽しみましょう。お酒を飲みすぎたり、大声ではしゃいだりして羽目を外さないよう注意してください。

仮に目上の人やほかの参加者が羽目を外していても、同調するのはつつしみましょう。にこやかに笑って様子を見守るくらいが丁度いいですよ。

周りの人に積極的に話しかける

懇親会に参加した以上、参加者との交流を希望していることになります。したがって、周りにいる人とは積極的に話しましょう。かしこまる必要はありませんが、挨拶や自己紹介、簡単な質問くらいなら誰とでもすんなり話せますよ。

「話さなければ」と意気込むと、自分のことばかり話してしまったり、相手のことを根堀り葉掘り聞いてしまう可能性があります。そうなってしまうと悪印象です。相手が話しているときは相手の話に耳を傾ける余裕もマナーとしてもっておきましょう。

写真撮影やSNS投稿は慎重に

懇親会で打ち解けたからといって、普段のようにスマートフォンで写真撮影をしたり、写真をSNSに投稿したりするのには慎重にならなければなりません。インスタ映えしそうな料理やデザートを目の前にしても、場合によっては撮影行為が失礼にあたります。

また、ほかの参加者に断りなく撮影することも、許可なく撮影した画像をSNSにアップすることも自重するのが賢明です。プライベートなイベントでない限り、習慣的な行動でも冷静に判断しましょう。

解散時のお礼や挨拶を忘れない

懇親会に参加した場合、解散時には主催者や幹事さんにお礼や挨拶をしましょう。参加者は会場に訪れるだけですが、主催者や幹事さんは事前にいろいろな準備をしてくれています。

懇親会がどのような目的であれ、招待へのお礼と会に対する感想を伝えるのはマナーとして大切です。主催者や幹事さんも、懇親会を開いた意義を感じられますよ。

失敗なし!懇親会で好印象に見られる挨拶のコツ

懇親会では、自己紹介や簡単な挨拶をするのが一般的です。ぶっつけ本番で失敗したり緊張したりしないよう、好印象に見えるコツを押さえておきましょう。

自然な笑顔で参加者の顔を見て話す

好印象を与えるには、自然な笑顔で参加者の顔を見て話しましょう。人前では、緊張して表情がかたくなります。また、恥ずかしいからと下を向けば、見ている人に気をつかわせます。

自然な笑顔をつくるポイントは、口角を5ミリ上げるイメージです。口角を少し引き上げることで表情筋が動きやすくなり、頬や目元もつられて自然な笑顔がつくれますよ。

はっきりと伝わる大きさの声を出す

懇親会の挨拶はスピーチではないので、大きさにこだわる必要はありません。ただし、はっきりと伝わる発声は大事です。いつもの話声より少し大きい程度を目安にしましょう。

また、マイクがあってもなくても、ハキハキした話し方をしてください。たとえば、氏名・所属・参加目的・参加者へのひとことを、流すようにつづけて話すのではなく、部分ごとに区切るように話す事を心がけましょう。

ダラダラと長く話さない

挨拶などで、参加者の大勢の前で喋る時には、事前に内容をまとめておき、手短に話せるように頭に入れておく事をおすすめします。懇親会の挨拶では、氏名・所属以外にも参加目的や参加者へ向けたひとことを添えることもあります。当日急に話すとなると頭がまとまらず、ダラダラと無駄に長くなるので気をつけましょう。

ポジティブなワンフレーズを含める

懇親会の挨拶で参加目的や参加者へのひとことを添える場合、ポジティブなフレーズを込めるようにしましょう。「〇〇さんに誘われて断れわれず……」などのネガティブなものはNGです。ぜひ「本日は皆さんとの仲を深め、有意義な時間にしたいと思います」というようなメッセージを伝えてください。

体験者に聞く!懇親会は意味あるor意味ない?

懇親会に参加したことのある人の体験談をリサーチしてまとめました。

◆「意味ある」と答えた人の感想

・たくさんの人と話せて楽しかった。
・連絡先を交換できて心強くなった。
・いろいろな情報が聞けて参考になった。

◆「意味ない」と答えた人の感想
・上手く人と話せずつまらなかった。
・人が多すぎて疲れた。
・どう振る舞えばいいのかわからず戸惑った。

これらの体験談から分かる事は懇親会を開催する時や会に参加する時には、目的意識を持って参加者全員で共有している状態を作りあげる必要があるという事です。

「意味ある」と答えた人は、懇親会の目的をそのまま体験できていることがわかりました。一方、「意味ない」と答えた人の感想は、懇親会の意義を感じられていないことがわかります。

「意味ない」と答えた人は、マナーやコツなどの予備知識がなく、目的をもたずに参加している状態だと思います。懇親会を意味のあるのもにするためには、事前準備と参加目的の明確化が必要ですね。

まとめ:懇親会で仲間との結束を深めよう

懇親会はマナーやコツを踏まえて参加することで、意義のある宴会になります。懇親会の中では面識のなかった人と気軽に話せますし、なんとなく顔見知りだった人と意気投合できるいい機会でもあります。

また、知らなかったことを教えてもらえたり、いざというときに役立つ情報を入手できたりと、価値のある集まりです。ただし、なんとなく参加するだけでは、意義も価値も得られません。

有意義な懇親会を過ごすためにも、今回の内容をもう一度振り返ってみましょう。

懇親会を意味あるものにするためにも、ぜひ事前に具体的な準備をしてください。参加することで何を得たいのかを明確にしておくだけでも、有意義な時間になりますよ。

懇親会の幹事を任されてどんな準備をしたらいいか分からないという方は、下記の記事も併せて御覧ください。

懇親会幹事の仕事と進め方|事前準備から当日の司会進行までの段取り