歓迎会の準備で悩むのが、会費や必要経費などの「予算」ではないでしょうか。
「歓迎会の会費はいくらくらい?」
「会費の予算は飲食代だけでいい?」
「会費はどのように集めればいい?」
このような、歓迎会の予算にまつわる疑問や課題を本記事で解決しましょう!
◆この記事でわかること
- 歓迎会の会費相場や会費の内訳について
- 会費の決め方や集め方、会費を抑える方法
- 会計報告や会社負担など会費の扱いについて
会費の金額設定だけでなく、会費の徴収や会計報告、会社負担といった扱い方についてもまとめています。
ぜひ、本記事を参考にしながら、これからの準備や参加者への周知にお役立てください。
歓迎会の予算|会費相場
歓迎会の会費相場が1人当たり4000円~5000円程度とわかるデータがあります。
○実際の参加費…4,811円/回
※調査報告書(2025年3月17日)
ホットペッパーグルメ外食総研が実施したアンケート調査(2025年1月31日~2025年2月14日)の報告書によるもので、歓送迎会の参加費の想定支出金額は4,397円/回でしたが、実際の参加費は4,811円/回と判明しました。
会費相場は歓迎会の規模や会場、地域によって幅がありますので、平均的なデータを参考にしながら予定している歓迎会に見合った会費金額を設定しましょう。
歓迎会の予算|会費の内訳
歓迎会の会費に含まれる予算には、一例として以下のものがあります。
- 飲食代
- 会場費
- 景品代
- 予備費
これらの予算を「参加者20名」で「会費5,000円」に設定した場合の内訳イメージもつかんでおきましょう。
└会費 5,000円/人
・飲食代:90,000円(4,500円/人)
・会場費:0円(プランに含む)
・景品代:5,000円
・招待費:5,000円(主役1人分)
・予備費:0円
・合計:100,000円(5,000円×20名)
※居酒屋の飲み放題プランを想定
一般的な飲食店で歓迎会プランを予約すると会場費は飲食代に含まれますが、貸切や大型個室を利用する場合は会場費が別途かかる場合もあります。
ここからは、それぞれの内訳ごとに予算の立て方ポイントも解説しますので、会費を設定するときの参考にしてください。
飲食代
飲食代は会場や料理のグレードによって幅がありますので、予算に見合った会場やプランを選ぶようにしましょう。
飲食代の予算相場
○例:ホテル・高級レストラン / @5,000円~@10,000円
飲食代以外の予算をつけない場合は「飲食代」=「会費」となりますが、会場費は会場側が設定するものですから、会場選びのときに確認しておくことがポイントです。
会場費
会場費が飲食代と別で発生する場合、以下のようなものが挙げられます。
会場費の例
○機材使用料
○会場貸切料
また、最低保証料金といって、参加人数に関わらず一定の金額を支払うことが利用条件となる会場もありますので、お店に質問したり、利用規約を確認したりしておきましょう。
景品代
歓迎会でビンゴゲームやクジ引きの景品を用意する場合は、一般的な目安を参考に予算を立てましょう。
景品の数
○豪華景品(景品数の1割程度)
○標準景品(景品数の3割程度)
○安価景品景品数の6割程度)
景品数は予算に合わせて調整してもかまいませんし、一点豪華主義で1人だけに豪華景品が当たるようにしてもかまいません。
歓迎会の規模や景品の目的に合わせ、飲食代とのバランスも考えながら適切な会費を設定していきましょう。
予備費
歓迎会における不測の事態に備え、いくらか予備費を確保しておく場合があります。
予備費の例
○延長料金
○キャンセル料補填
予備費そのものを抑えるためには、予備費が発生しないよう対策するしかありません。
たとえば、案内のリマインド通知とともにキャンセル料やキャンセル期日についても周知したり、当日オーダーできるメニューだけをテーブルに用意したり、中締めの時間を決めて散会が遅れないようにしたり。
しっかりと対策をして、参加者のために少しでも会費を抑えましょう。
歓迎会の予算|会費の決め方
歓迎会の会費は安ければ喜ばれるというものでもありませんし、公平性も考慮する必要があります。
したがって、歓迎会の会費を決めるときは、いくつかのポイントに沿って検討していきましょう。
- ●歓迎会の内容にふさわしい金額にする
- ●全員一律の公平な会費設定でもよい
- ●傾斜配分で金額差をつける場合もあり
それぞれのポイントについて解説します。
歓迎会の内容にふさわしい金額にする
歓迎会が、飲食中心なのか、それとも交流重視なのか、あるいはイベント性の強いのもなのかなどによって必要な予算が変わります。
たとえば、飲食中心であれば「飲食代」=「会費」というシンプルな設定でかまいませんが、交流やイベント性をテーマにするなら、機材や備品、スペースなどへの予算を考えなければなりません。
また、少人数のアットホームな歓迎会ならカジュアルな居酒屋でも対象となりますが、役職者や経営者などが参加するフォーマルな歓迎会なら、ホテルや高級レストラン、料亭などのハイグレードな会場が対象となります。
したがって、歓迎会のテーマや参加者層などに合わせた内容から適切な会費を導き出しましょう。
全員一律の公平な会費設定でもよい
もし、年次の近い従業員や一部の同僚だけで歓迎会を催すなら、全員一律の公平な会費設定でかまいません。
公平性のポイントとなるのは「収入差」や「立場」です。
たとえば、同じ年齢や勤務年数でも「正規」と「非正規」といった違いがあり、収入差に影響します。
どのような形で公平性を出すかは、歓迎会の参加者層に合わせて調整しましょう。
傾斜配分で金額差をつける場合もあり
会社によっては、「傾斜配分(けいしゃはいぶん)」といって役職に応じた金額差で会費を設定する場合もあります。
傾斜配分の例
○課長……会費の1.5倍
○主任……会費の1.25倍
もし、傾斜配分を慣習にしている会社であれば、事前に確認した上で対象者に相当の会費をお願いしてもよいでしょう。
ただ、傾斜配分を採用した場合は一般社員からの徴収金額が変わりますので、会費設定の前に予算を出すようにしましょう。
歓迎会の予算|会費の集め方
歓迎会の会費が決定したら、会費の集め方について確認していきましょう。
- ●会費は事前徴収がおすすめ
- ●案内メールで会費について記載する
- ●歓迎される本人からは徴収しない
それぞれ会費を集めるときのポイントを解説します。
会費は事前徴収がおすすめ
参加者からの会費はできるだけ事前徴収しておきましょう。
会費の徴収漏れを防ぐため、参加者リストを作成しておくのもポイント。
また、なるべくお釣りが出ないよう通知しておくと徴収そのものがスムーズです。
*二次会の費用に充てる。
*徴収人数で割って返金する。
*お土産を用意して配る。
*抽選をして後日賞品を贈る。
*当日主役に記念品を贈る。
もし、予算が余った場合は、当日でも段取りよく対応できるよう、いくつかのパターンを考えておきましょう。
案内メールで会費について記載する
歓迎会の案内をメールで通知する場合、日時や会場のほか、会費についても記載しましょう。
会費集めのメール例文
歓迎会の案内メールでは、会費の集め方について期日や方法を具体的に記載しておくと徴収がスムーズです。
例:会費は、○月○日(○)までにお預かりできるよう、できるだけお釣りが出ないようにご用意いただけると幸いです。
ただし、主役にも歓迎会の案内状や案内メールを出すときは、会費を未記載にしておくようにしましょう。
尚、歓迎会の案内メールを作成するときに参考になる関連記事がありますので、よければ合わせてご参照ください。
歓迎される本人からは徴収しない
歓迎会で歓迎される本人は歓迎会の主役ですから、原則として会費は徴収しません。
しかし、歓迎会の規模や内容、参加者層によっては主役から会費や一部負担金を徴収する場合もあります。
歓迎会の主役からの会費徴収については、過去の事例を参考にしたり、先輩に相談したりするとよいでしょう。
尚、歓迎会で歓迎される「本人」の会費については関連記事がありますので、歓迎会の主役への案内にご活用ください。
歓迎会の予算|会費を抑える方法
歓迎会の会費は工夫ひとつで抑えることもできます。
- ●飲み食べ放題を上手に取り入れる
- ●お得なプランやキャンペーンを活用する
- ●会場のグレードや条件を見直してみる
それぞれのポイントを確認していきましょう。
飲み食べ放題を上手に取り入れる
歓迎会などの宴会では、食べ放題や飲み放題を注文して追加料金がかからないようにするのが定番。
飲み食べ放題の方が、単品注文するよりも安く設定されているケースが多いためです。
しかし、料金だけで決めると参加者から不満の声が出るかもしれません。
お酒を飲む人が多い場合は豊富なジャンルのプランを選びつつ、飲めない人のためにソフトドリンクやノンアルコールのラインアップにも配慮しましょう。
また、料理メニューや品数にも着目し、参加者層に合わせたボリュームと食べごたえがあるかもチェックしましょう。
お得なプランやキャンペーンを活用する
歓迎会向けのプランやキャンペーンとしては、早期予約による早割のほか、○名以上割引き、平日限定、幹事無料などがあります。
歓迎会シーズンは繁忙期のため、だいたいの参加人数がわかっているのであれば早めに予約すると割安で利用できるかもしれません。
また、大人数になるほど割引率がアップする会場もありますし、幹事無料であれば歓迎会の主役の飲食代に充てられます。
お店によってプランやキャンペーンは異なりますので、お店選びをしながらリサーチしてみましょう。
会場のグレードや条件を見直してみる
たとえば、同じようなグレードのホテルであっても、立地やアクセスによって料金に差が出ます。
ホテルの場合は最寄り駅からの距離が料金に反映しやすいためです。
たとえ最寄り駅から離れていても、団体の場合は送迎サービスが利用できることがあります。
ホテルをレストランに、レストランを居酒屋にと会場をグレードダウンするだけでなく、同グレードの会場でも条件を見直してみると予算が抑えられる可能性はあるでしょう。
歓迎会の予算|参加者への会計報告
歓迎会の翌日以降に、主役以外の参加者に会計報告をするのは好ましいビジネスマナーです。
会計報告はメールで行うか、文書スタイルで作成してメールに添付するなどしましょう。
会計報告のテンプレ例
○○歓迎会 会計報告
このたびは○○歓迎会にご参加いただき、誠にありがとうございました。
皆さまからお預かりしました会費について、下記のとおりご報告申し上げます。
―― 記 ――
◆収入
参加者数:〇〇名
会費:@〇,〇〇〇円 × 〇〇名 = 〇〇〇,〇〇〇円
◆支出
・飲食代 〇〇〇,〇〇〇円
・会場費 〇〇〇,〇〇〇円
・景品代 〇〇〇,〇〇〇円
・予備費(雑費等) 〇〇〇,〇〇〇円
――――――――――――――
支出合計 〇〇〇,〇〇〇円
◆差引残額
〇〇〇,〇〇〇円
※残額は〇月〇日に全額〇〇(例:お土産代・二次会費用・参加者へ返金 等)に充てさせていただきました。
ご理解のほどよろしくお願いいたします。
幹事 〇〇〇〇
会計報告は、できるだけ歓迎会の3日以内に行うようにしましょう。
歓迎会の予算|会社負担になる条件
歓迎会の予算が会社負担になるかどうかは、福利厚生費として経費計上できるかが条件となります。
福利厚生費の定義は「会社主催で全従業員を対象にしていること」ですので、「部署だけで」「チームだけで」「仲間内だけで」というように、一部の従業員だけで開催する場合は一般的に会社負担になりません。
しかし、全従業員が参加しないと適用されないわけではなく、全員に参加をうながした結果、一部不参加の社員がいたとしても福利厚生費に該当します。
また、「部署」や「課」、「チーム」などでの開催でも、すべて全社一律で定期的に行なう場合は福利厚生費として計上できるかもしれません。
あるいは、給与から「組合費」や「社内積立」などが天引きされていて、歓迎会費用に充てられる場合は会社負担になることもあるでしょう。
歓迎会の予算が会社負担になるかどうかは、法律的な運用や解釈、会社の方針によって異なりますので、経理担当者に相談してみましょう。
まとめ
歓迎会の会費は、1人当たり4000円~5000円程度が相場です。
歓迎会の会費に含まれる予算の内訳には以下のものがあります。
- 飲食代
- 会場費
- 景品代
- 予備費
会場によって必要な費用が変わりますし、歓迎会の内容や参加者層によっても妥当な会費が異なりますので、予定している歓迎会に合わせて適切な会費を設定しましょう。
また、参加者層によっては全員一律で公平性を重視したり、役職者に金額差をつける傾斜配分を採用したりする場合もあります。
歓迎会で歓迎される本人からは原則として会費は徴収しませんが、歓迎会の規模や内容、参加者層によって主役本人からの徴収をどうするのかを決めましょう。
そして、歓迎会の会費が決まったら、日時や会場などの情報とともに案内メールなどで詳細を通知します。
参加者が会費の支払いで悩まないよう、徴収期日や徴収方法について明記しておくのも大切なポイントです。
本記事では、会費を抑える方法や会計報告、会社負担の条件についても解説しましたので、ぜひ、これからの準備にご活用ください。