合宿型研修に初めて参加する人や、合宿型研修を開催しようと検討している担当者様にとって、目的やメリットが気になりますよね。
そこで本記事では、以下のような流れで合宿型研修について解説します。
最後まで読んでいただければ、合宿型研修のイメージがつかめるはずです。ぜひ最後までお読みいただき、準備や計画の参考にしてくださいね。
合宿型研修とは?
宿泊施設などで行う泊り込みの研修
ホテルや旅館、研修施設などに宿泊して行う研修が合宿型研修です。
ほかには、宿坊という宿泊可能なお寺や、リゾート地の貸別荘などで行われることもあります。
日常を遮断して研修に集中するのが目的
研修を合宿型にする目的は、研修に集中するためです。
会社のように顧客や取引先から電話がかかることがありませんし、最終日までは自宅へ帰らないため、研修漬けの状態が維持できます。
合宿型研修のメリット
合宿型研修には、企業側・参加者側それぞれの立場でのメリットがあります。具体的に解説しますので、ぜひ参考にしてください。
企業側のメリット
◆効率的に研修ができる
合宿型研修では、参加者も講師も同じ施設に宿泊することが一般的です。
そのため移動に時間がかからず、2日目以降は早朝から始められたり、休憩後の集合も速やかになったりなど時間を無駄なく有効活用でき、効率的に研修を進めることができます。
◆チームビルディングができる
寝食をともにすることで、組織の一体感が強まります。研修によってはチームビルディングを目的にして、食事の準備をグループで行ったり、相部屋に泊まったりする場合もめずらしくありません。
◆従業員の特性を知ることができる
合宿型研修では、普段では見られない参加者の素顔や生活感が垣間見えます。
また、研修が深まるにつれて参加者が変化していく様子も伺い知れますし、意外な一面が見つかることもあるでしょう。
普段は見えない従業員の「性格」や「強み・弱み」などの「特性」を知り得ることができれば、一人一人にあった育成プログラムを組みやすくなり、マネージメントにも多いに役立ちます。
参加者側のメリット
◆参加者との交流がもてる
その日の研修後は、参加者同士での食事や語らいの時間があります。研修の緊張から解放されリラックスした中で、普段は話せない相手と話せたり、会社では聞けないことを相談できたりするのが利点です。
◆潜在能力が引き出される
研修漬けが続けば続くほど集中力が研ぎ澄まされるため、本人も気づかないような能力が発揮できることがあります。たとえば妙案が浮かんだり、思いがけない発言でリーダーシップがとれたりなどです。
◆施設ならではの楽しみがある
研修が行われる施設によっては、さまざまな楽しみがあります。温泉旅館であれば大浴場、レストラン型のホテルであれば食事など、研修以外の時間が充実することもあるでしょう。
変わった合宿型研修の事例3つ
合宿型研修には、一風変わったユニークなものや、本格的な実践型のものもあります。ここでは3つの事例を紹介し、研修ごとの特徴や目的も解説しますので、ぜひご参考ください。
新入社員を対象にした禅研修
禅研修とは、お寺で行われる研修です。禅は僧侶の修行法のひとつですが、新人研修に禅を取り入れる目的は、礼儀作法を身につけたり、人間としての本質的な考え方を学んだりすることです。
座禅によって心を落ち着かせ、「無」の境地を味わうことで自分の深部にある気づきに到達することも禅研修の醍醐味といえるでしょう。
ほかにも「作務」といい、お寺での掃除を通じて奉仕の精神や心の錬磨を体験します。
禅研修についてわかりやすい動画がありますので、ぜひそちらもご参考ください。
無人島サバイバルでリーダー研修
無人島でのサバイバル研修は、電気やガス、家電製品が一切ない生活をしながら、行動力や判断力を磨くのが目的です。通常、グループに分かれてさまざまな課題に挑戦します。
各グループではリーダーを立てますが、リーダーだけにすべてを任せるわけではありません。1人1人が主体性をもち、生活や課題の中で創意工夫し、協力し合うことが求められています。
サバイバル研修の内容がわかる動画がありますので、ぜひそちらもご参考ください。
営業マンのための「100軒飛込み」研修
こちらの研修は、「100軒飛込み」売上増大合宿としてセミナー運営会社が開催しました。営業における「売り切る力をつけること」を目的に開催された合宿型研修です。営業マンに販売のプロであることを意識づけるため、主に営業の実践を行います。
実際に商品を売り歩き、訪問件数や商談件数、商談時間、成約数などを徹底的に分析し、強みと弱みを探るのが狙いです。営業マンだけでなく、経営者にも好評な研修のひとつです。
・3泊4日
・初日は営業マナーや名刺交換、挨拶、商談、応酬話法について学ぶ
・2日目以降は実務研修
・1班6名に分かれる
・販売目標と営業作戦を練る
・全員で同じ商材を販売する
・チーム対抗で成果と過程を競う
・中盤ではクロージングや顧客心理などを学ぶ
・最終日は目標完遂の計画について学ぶ
参考:「100軒飛込み」売上増大合宿 | 日本経営合理化協会
合宿型研修の気になる疑問Q&A
初めて合宿型研修に参加する場合、いろいろと気になることもあるでしょう。ここでは、よくある疑問を紹介し、その回答を解説します。
絶対に必要な持ち物は?
通常、研修の案内に記載があるはずですが、以下に揃えておきたいものを挙げます。
・名刺
・着替え
・部屋着(研修後に着るため)
・パジャマ(施設のものが合わないことがあるため)
・洗面用具(施設によっては有料な場合があるため)
・化粧品(決まったものしか使わない場合)
・サプリや薬(毎日飲んでいるものがある場合)
・スニーカー(実習がある場合やカジュアルな服装の指定があった場合)
・お金(交通費の一部負担や立て替えが必要なため)
どんな服装で参加するべき?
主催者側から指定されるのが通例ですが、スーツで会場へ行き、途中で着替えが必要な場合があります。もし「カジュアルな服装」と指定があれば、ジャージやスウェット、ジーンズなどでかまいません。
合宿型研修には体を動かすカリキュラムがあったり、リラックスした状態で受講したりするためです。
行きたくないとき辞退できる?
研修にどうしても行きたくない場合は、まず担当者に相談しましょう。理由は必ず聞かれますので、嘘や作り話ではなく本当のことを伝えてください。
体調不良や病気などが理由であれば、合宿中に悪化するとよくありませんので聞き入れてもらえるはずです。
もちろん、「理由はないけど、苦手だからやだ」というだけでは辞退できません。
ただし、他人と長い間過ごすことが心理的に苦痛な場合は、担当者に根拠を丁寧に伝えると、オブザーバー(傍聴者)として参加が認められることもあります。
いずれにしても、正当な理由があれば無理強いはされません。
とはいえ、研修の主催者が勤務先の会社で、自分の仕事に直結するものであれば、辞退できても職務にマイナスになるかもしれません。
辞退の申し出をするなら、正しい判断で行いましょう。
まとめ
合宿型研修の目的は、日常から離れて研修に集中することです。
企業側には研修の効率性、チームビルディングなど、参加者側には多くの人との交流や能力開発などのメリットがあります。
研修を企画する場合は明確な目的を定めて、施設選びやユニークなアイディアに反映させてください。
研修に参加する場合は、研修以外の楽しみや価値にも目を向け、有意義な体験にしましょう。
また、どうしても行きたくない理由がある場合は担当者に相談し、最善の方法を見つけるのが得策です。
もし、参加者から辞退を申し出られた場合は強要せず、理由や根拠を丁寧に聞いて対処するようにしてください。