祝賀会を開催することになり企画や準備に悩んでいるなら本記事をご活用ください。
祝賀会にもいろいろありますが、どのような祝賀会であっても流れやポイントを押さえれば成功させられます。
本記事では、祝賀会の企画や準備に役立つよう以下の内容を紹介します。
- ●祝賀会の流れや企画のポイント
- ●祝賀会までに進める準備とポイント
- ●祝賀会の台本作成に応用できる司会進行例文
ぜひ、本記事を参考にして祝賀会を成功に導いてください。
祝賀会の一般的な流れ
祝賀会の企画や準備を進める前に、祝賀会の一般的な流れを確認しておきましょう。
- 開会宣言(司会者)
- 主催者の挨拶(立場が最も高い人)
- 本人の挨拶(受賞者や退職者などの主賓がいる場合)
- 乾杯(立場が3番目に高い人)
- 食事・歓談
- 来賓の祝辞
- 祝電の紹介
- 余興
- 中締めの挨拶(立場が2番目に高い人)
- 閉会宣言(司会者)
●周年記念
●受賞記念
●出版記念
●退職記念
●誕生祝い
●新事業や新商品の発表
ときに祝賀会は「祝勝会」と混同されますが、祝勝会は「勝利」を祝うイベントです。通常、スポーツの試合や競技大会で優勝したときなどに開催されます。
祝賀会の企画を成功させるポイント
祝賀会を成功させるには企画段階からの具体的なプランニングが求められます。
- ●祝賀会の趣旨に合った内容を考える
- ●祝賀会の予算と規模のバランスを図る
- ●祝賀会当日までの準備をスケジュール化する
これらのポイントを押さえながら企画を進めましょう。
祝賀会の趣旨に合った内容を考える
周年記念であれば出席者に感謝を伝えたり、出席者とともに歴史を振り返ったり。受賞記念や出版記念であれば主役にスポットをあてたり、新事業や新商品の発表であれば出席者へのプレゼンテーションを重視したり。
祝賀会によってフォーカスすべきテーマが違うため、祝賀会の趣旨に合わせた企画内容を考えましょう。
●余興…餅つき、生演奏、ビンゴゲーム、抽選機、スペシャルゲストの登場
●演出…オープニングムービー、レーザービーム、社史や主役をテーマにしたムービー、鏡開き、表彰式
祝賀会の予算と規模のバランスを図る
祝賀会を盛況なイベントにするには予算と規模のバランスが大切です。予算を抑えすぎるとクオリティが下がってしまいますし、規模以上に予算をかけ過ぎると出席者が気後れしたり、ご祝儀や参加費の面でも出席者に気を遣わせたりします。
祝賀会の趣旨と照らし合わせ、「どこに予算をかけるか」「どこの予算を抑えるか」といった調整を図りましょう。
祝賀会に必要な準備をスケジュール化する
祝賀会の開催が決まったら、必要な準備をスケジュール化して運用するとスムーズです。準備は内容によって対応するべきタイミングが異なりますので、時期を考えながら進めるのもポイント。スケジュールと進捗状況は、常に運営スタッフと共有しておきましょう。
祝賀会のための準備とポイント
祝賀会の準備をスケジュール化するため、開催決定から実施までの流れに沿って項目ごとに紹介します。
- ●日程を決める
- ●会場を手配する
- ●案内状を作成し発送する
- ●進行プログラムを決める
- ●運営スタッフの役割分担を決める
- ●進行表と台本を作成する
- ●出欠管理をまとめる
- ●出席者に記念品を用意する
- ●備品を揃える
- ●打ち合わせ・リハーサルをする
- ●会場の準備を整える
- ●開催後の作業をまとめておく
それぞれのポイントも参考にしてください。
日程を決める
祝賀会の日程を決めるときは会社の創立記念なら「社長」、受賞記念なら「受賞者」、退職記念なら「退職者」というように「主役」に合わせて調整しましょう。
《ポイント》
- ●主役に可能な日程の候補日をいくつか挙げてもらう。
- ●主役が挙げた候補日の中で出席者が多くなりそうな日を選ぶ。
- ●大安や開運日、土日祝日は会場が押さえにくいので早めに仮予約する。
会場を手配する
日程が決まったら規模に応じた会場を手配します。いくつか候補をしぼってから会場の空きを問い合わせたり、複数の会場に見積もりを依頼したりして最終的に選ぶとよいでしょう。
《ポイント》
- ●料理やドリンクのプランをどうするか。
- ●最低保証料金が発生する場合は仮予約しておく。
- ●利用可能時間やレイアウトを確認する。
- ●音響機器や映像機器などが完備されているか。
- ●人数変更やキャンセルが可能なのはいつまでか。
案内状を作成し発送する
祝賀会の案内状は「往復はがき」「封書」のほか、相手との関係性やフォーマル度によっては「メール」で作成します。
案内状を発送するタイミングは祝賀会開催の3か月前~1か月前を目安にしましょう。
《案内状に記載する項目》
- 差出年月日
- 送付先の宛名
- 主催者の氏名、会社名、役職名など
- 案内状の表題(○○祝賀会のご案内)
- 本文
- 詳細(日時・場所・会費・集金方法など)
- 差出人名(担当者、発起人、幹事など)
- 出欠の返信期限と返信方法
- 問い合わせ先(幹事の携帯電話番号など)
- ドレスコード(例:準正装でお越しください)
《創立記念の案内状例文》
○○年○月○日
○○株式会社 御中
○○株式会社
代表取締役 ○○○○
創業○周年記念祝賀会のご案内
謹啓
時下ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、おかげをもちまして、来る○月○日、弊社は創業○周年を迎えることとなりました。
これもひとえに皆様方のひとかたならぬご支援の賜物と深く感謝申し上げます。
つきましては、お世話になっている皆様をお招きし、下記の通り、心ばかりの祝宴を催したく存じます。
ご多忙中、誠に恐縮ではございますが、ご来臨を賜りますようお願い申し上げます。
略儀ながら書面にてご案内申し上げます。
謹白
令和○年○月吉日
記
日時 令和○○年○月○日(○)○時~○時
会場 ホテル○○ 7階 ○○の間
電話 ○○○-○○○-○○○○
住所 東京○○区○○ ○丁目○番地
(JR○○線○○駅より徒歩○分)
※当日は準正装にてお越しくださいますようお願い申し上げます。
尚、お手数ではございますが出席のお返事は○月○日までに同封の返信はがきにてお知らせくださいますようお願い申し上げます。
問い合わせ先 幹事 ○○部 ○○ 携帯:090-xxxx-xxxx
何かご不明な点がございましたら、私○○(内線123)までお問い合わせください。
以上
《ポイント》
- ●表題、本文を祝賀会の趣旨に合わせる。
- ●メールの場合は「件名」に祝賀会の案内の旨を明記する。
- ●メールの場合「謹啓(頭語)」「謹白(結語)」は不要。
- ●会費制で開催する場合は金額と徴収方法を記載する。
進行プログラムを決める
祝賀会のテーマに沿って当日の進行プログラムを決めます。一般的な流れをヒントにしながら主役を盛り上げたり、出席者を楽しませる演出や余興を企画したりしてイベントを構成しましょう。
《ポイント》
- ●祝賀会のテーマに沿った企画と手配。
- ●司会者、各挨拶の適任者を決める。
- ●会場の利用時間に合わせた時間配分。
運営スタッフの役割分担を決める
祝賀会の規模によっては数名でチームを組んで運営を役割分担しましょう。
《ポイント》
- ●出席者の受付、誘導など。
- ●音響、映像など。
- ●業者との交渉や各種手配など。
- ●写真撮影、動画撮影など。
- ●設営、会場との連携など。
進行表と台本を作成する
当日の進行がスムーズにいくようプログラムにもとづいた進行表を作成しましょう。進行表は司会者を含めた運営スタッフで共有し、さらに司会者には進行に沿った台本も用意します。
《ポイント》
- ●進行表には開始から閉会までの時間配分も明記する。
- ●台本には挨拶の対象者の名前や役職なども正しく記載する。
出欠管理をまとめる
出欠の返信期日が過ぎたら出席者、欠席者、未返信者に分けて管理しましょう。
《ポイント》
- ●出席者は出席者名簿を作成する。
- ●欠席者はリスト化し、祝賀会後の報告や記念品の提供に活用する。
- ●未返信者には電話やメールで丁寧に確認する。
- ●最終人数を確定させ開催1か月前~2週間前には会場へ報告する。
出席者に記念品を用意する
祝賀会の出席者には記念品を用意します。創立記念や周年記念では欠席者へも開催後に贈ってかまいません。予算は会費制なら会費の1割程度、招待制なら規模や予算総額に応じた金額で組みましょう。
《ポイント》
- ●定番なのは名前、年月日、メッセージが刻印できるもの。
- ●ちょっと差をつけるなら主催者や主役にまつわる特徴的なもの。
- ●幅広く喜ばれるのは文具や日用雑貨などの実用的で便利なもの。
備品を揃える
祝賀会の当日に必要な備品を揃えます。会場で借りられるものも合わせて確認しておきましょう。
《必要な備品》
- ●出席者名簿(出欠確認用)
- ●パンフレット、プログラム表
- ●音源、パソコン
- ●プロジェクター、スクリーン
- ●集金用の金庫、つり銭(会費制)
- ●玄関看板、会場看板、写真パネル(必要に応じて)
打ち合わせ・リハーサルをする
当日の運営をスムーズにさせるため、開催10日前~1週間前には打ち合わせやリハーサルをしましょう。リハーサルではプログラムごとの時間配分に沿って進行できるか確認しながら進めるのもポイントです。
《ポイント》
- ●改善点や注意点を進行表に書き込んでいく。
- ●音響や映像などのリハーサルは可能な限り会場で行う。
会場の準備を整える
祝賀会の前日か当日の開始前に会場の準備を整えます。司会や運営の一部を外部に委託する場合は全体で打ち合わせをしながら進めましょう。
《ポイント》
- ●席次や会場レイアウトは合っているか。
- ●受付は予定の場所に設置できているか。
- ●音響や照明は問題なく使用できるか。
- ●フラワースタンドの搬入や設置はどうか。
- ●備品は必要な場所に揃っているか。
- ●記念品や配布物は不足なく用意されているか。
開催後の作業をまとめておく
祝賀会が終わってから対応しなければならない作業もありますので、当日までにまとめておくと開催後の運用がスムーズです。
《ポイント》
- ●当日…精算(会場、花業者、委託業者など)
- ●後日…映像の編集、アルバム制作など
- ●後日…出席者へのお礼状、欠席者へ報告と挨拶(下記参照)
■出席者へのお礼状例文
謹啓
貴社ますますご盛栄のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご厚情を賜り、心よりお礼申し上げます。
さて、先日は弊社創立○○周年を迎えるにあたり、ご丁重なるご祝辞をいただきまして、誠にありがとうございました。
これまで弊社が○年に及ぶ社歴を重ねられましたのも、ひとえに皆様方のひとかたならぬご支援があったればこそでございます。
これを機に、弊社一同あらためて初心に返り、ますます社業に邁進する所存でございます。
どうぞ今後とも末永くお引立ていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
まずは、略儀ながら書中をもってお礼申し上げます。
謹白
○○年○月○日
株式会社○○○○
取締役社長 ○○○○様
○○株式会社
代表取締役 ○○○○
■欠席者への挨拶例文
謹啓
貴社ますますご盛栄のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご厚情を賜り、心よりお礼申し上げます。
このたびは弊社○周年祝賀会にご出席叶わず、残念でございました。
おかげさまで、○日○○名様のご列席を賜り、盛会裡に終えることができました。
これまで弊社が○年に及ぶ社歴を重ねられましたのも、ひとえに皆様方のひとかたならぬご支援があったればこそでございます。
これを機に、弊社一同あらためて初心に返り、ますます社業に邁進する所存でございます。
どうぞ今後とも末永くお引立ていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
ご欠席の方にも心ばかりの品を送らせていただきますので、どうぞご笑納ください。
まずは、略儀ながら書中をもってお礼申し上げます。
謹白
○○年○月○日
株式会社○○○○
取締役社長 ○○○○様
○○株式会社
代表取締役 ○○○○
祝賀会の司会進行に使える例文
祝賀会の流れに沿った司会進行の例文を紹介しますので、実際のプログラムに合わせて台本を作成しておきましょう。
開会宣言
開会宣言は司会者が行います。
本日司会を務めさせていただきます、○○(名前)と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。
主催者の挨拶
主催者の挨拶は会社の周年記念であれば社長、受賞記念や出版記念であれば発起人の代表者が行います。
はじめに弊社代表取締役社長○○よりご挨拶を申し上げます。
■社内のみで開催する場合
はじめに○○社長よりご挨拶をお願いいたします。○○社長、よろしくお願いいたします。
■出版記念・受賞記念など発起人が主催する場合
はじめに○○を代表しまして○○様よりご挨拶をお願いいたします。○○様、よろしくお願いいたします。
(挨拶の後)
ありがとうございました。
本人の挨拶(出版記念・受賞記念・退職祝い・誕生祝いなど)
主催者の代表者と祝賀会の主役が別の場合は本人から挨拶をしてもらいます。
それでは○○様、よろしくお願いいたします。
(挨拶の後)
○○様、ありがとうございました。
乾杯
乾杯の挨拶は主催者の中で立場が3番目に高い人にお願いするのが一般的ですが、来賓を招いている場合は来賓にお願いしてもかまいません。
乾杯の音頭は○○様(役職)にお願いしたいと存じます。
皆様、グラスのご準備をお願いします。
○○様(役職)、よろしくお願いいたします。
(挨拶の後)
○○様(役職)、ありがとうございました。
食事・歓談
乾杯の後はすみやかに食事・歓談のアナウンスをします。
来賓の祝辞
来賓を招いている場合は代表者1名にお願いします。祝賀会の規模や来賓数によっては増えても問題ありません。
はじめに○○株式会社 代表取締役であられる○○○○様よりひとことご祝辞を頂戴いたします。
○○様、よろしくお願いいたします。
(祝辞の後)
○○様、身に余るご祝辞、ありがとうございました。
来賓の紹介
来賓を招待している場合、来賓代表者の挨拶の後に残りの来賓者全員の紹介をします。
壇上、皆様より左側から、○○サービス株式会社 社長○○○○様、株式会社○○ソリューション 社長○○○○様……
ご来賓の皆様、お忙しい中、ご出席を賜りまして誠にありがとうございました。
祝電の披露
祝電が届いている場合は食事・歓談の時間に紹介します。
ご歓談中ではございますが、本日、ご出席いただけなかった方々からメッセージを頂戴しておりますので、ご紹介いたします。
■数名の場合
○○様より、頂戴いたしました。
(メッセージの読み上げ)
■数が多い場合
(優先度の高い人からのメッセージをいくつか紹介)
このほか、たくさん頂戴しておりますので、お名前のみご紹介します。○○様、○○様、○○様よりメッセージを頂戴しました。
余興
余興の内容に合わせて盛り上げながら進行します。
皆様、お食事はいかがでしょうか。お話も楽しまれているようですが、ここで、余興としまして○○(余興の名前)に移りたいと思います。(余興の説明)それでは○○をお楽しみください。
■余興後
皆様、○○(余興の名前)はお楽しみいただけたでしょうか?まだまだお食事も残っていますので、お時間の許す限りどうぞおくつろぎください。
中締めの挨拶
中締めの挨拶は、主催者の中で立場が2番目に高い人にお願いします。
それでは○○(役職名)、よろしくお願いいたします。
(挨拶の後)
○○(役職名)、ありがとうございました。
閉会宣言
閉会宣言は司会者が行います。中締めの挨拶の後、少し歓談の時間を設け、場を落ち着かせてからアナウンスしましょう。
皆様、本日はお集りいただき、誠にありがとうございました。
どうか、お忘れ物のないよう、お気をつけてお帰りください。
本日はありがとうございました。
まとめ
祝賀会を成功させるには企画段階からの準備が大切です。
ここで企画のポイントをおさらいしておきましょう。
- ●祝賀会の趣旨に合った内容を考える。
- ●祝賀会の予算と規模のバランスを図る。
- ●祝賀会当日までの準備をスケジュール化する。
当日までの準備はスケジュールに沿って運営スタッフで共有しながら進めましょう。
進行表や台本を作成しておくと当日の進行もスムーズです。
司会者に必要な台本は例文を参考にまとめておきましょう。
ぜひ、本記事を参考にしながら、祝賀会の企画や準備に取り組んでください。