「祝賀会のスピーチって何を話せば良いの?」
「祝賀会で実際に行われている挨拶の具体的な例文が知りたい。」
祝賀会で初めて挨拶やスピーチをすることになった方は、何を話せば良いのかわからないことも多いでしょう。
そこでこの記事では、そんなあなたののために以下の流れで祝賀会の挨拶の具体的な例文とコツについて解説いたします。
1.少し笑いを取る挨拶の例文
2.真面目なお堅い挨拶の例文
3.長めの挨拶の例文
4.来賓としての挨拶の例文
5.祝賀会の挨拶を成功させるコツ
全て読んで、祝賀会の挨拶で恥をかかないよう、万全の準備をして本番を迎えましょう。
祝賀会挨拶の具体的な例文
例1.少し笑いを取る挨拶・スピーチ
<社長就任祝賀会の例>
本日はお忙しい中、就任祝賀会にお越しいただきまして、誠にありがとうございます。
ご紹介にあずかりました「代表取り締まられ役」の〇〇でございます(自虐っぽいネタで笑いを誘う)。
本日は堅苦しいことは抜きにしましておくつろぎいただき、楽しいひととを過ごしていただければと思います。
スカートとスピーチは短いほど喜ばれますので、手短かにご挨拶させていただきます(例え話を引き合いに笑いを誘う)。
このような日を迎えられましたのも、こうしてここにお集まりいただいた皆様のお蔭でございます。
(会社のエピソードや哲学的な話を面白おかしく話す)
例:人生には3つの坂があります。「上り坂」「下り坂」そして「まさか!」という坂です。
それでは、そろそろ皆様の腹時計が一斉に鳴り出す前に、乾杯の挨拶に移らせていただきます(なごやかに食事を楽しんでもらうために笑いを誘う)。
高いところからではございますが、本日は誠にありがとうございます。
・社長就任祝賀会の主役は「社長」なので、社長自身がダジャレや面白トークをするのは許容範囲が広くウケやすい。
・明るい自虐ネタやビジネスにからめた面白い例え話、センスのある人生哲学をこまめに挟むと全体的になごむ。
例2.真面目なお堅い挨拶・スピーチ
<開設記念祝賀会の例>
本日は〇〇の開設記念祝賀会を開催するにあたり、一言ご挨拶申し上げます。
(開設に至るまでの経緯や尽力してもらった関係者へお礼を伝える)
(業界ならではの時事ネタを社会情勢などと関連づけて述べる)
最後に、〇〇のさらなる発展ならびに、ご臨席たまわったご来賓の皆様のご健勝とご多幸を祈念しまして、私の挨拶といたします。
・表現が全体的に堅めで正式な印象。
・社会的な背景や業界にまつわる話でスピーチを引き締める。
例3.長めの挨拶・スピーチ
<受賞祝賀会の例>
ご来賓の皆様、本日は私の受章祝賀会にご臨席をたまわりまして誠にありがとうございます。
また、褒章に多大なご尽力を頂きました〇〇様、本日の会を企画くださった〇〇様に心より感謝申し上げます。
そして過分なご祝辞をくださった〇〇様はじめ〇〇の関係者の皆様、
ご多忙の中ご列席頂き身に余るお褒めの言葉をくださった〇〇様にも、衷心より感謝申し上げます。
(受賞に至ったエピソードやお世話になった人々との受賞にまつわる思い出話を語る)
今回の受章は、私だけの栄誉ではなく、本日ご来場頂いた皆様や〇〇全体を代表して私が授かったものと思っております。
今後も皆様からのご指導・ご鞭撻をたまわりながら、微力ながらますます〇〇の~~に貢献していく所存です。
誠に簡単ではございますが、本日お越しくださった皆様のご健康とご多幸を記念し、私からのお礼のご挨拶といたします。
本日はありがとうございました。
・スピーチの冒頭で、具体的な対象者を挙げながら感謝の言葉を使い分けて丁寧にお礼を述べる。
・受賞が組織全体のものであるとし、受賞を機にさらなる貢献や精進を誓う。
・「簡単ではございますが」は長さではなく、「感謝を伝えるには足りない」という意味で添える。
例4.来賓としての挨拶・スピーチ
<周年記念に招待された場合の例>
このたびは、創立〇周年を迎えられ、誠におめでとうございます。
また、このような盛大な祝賀会の席にお招きいただき、たいへん光栄に存じております。
御社とは創業以来ずっとおつきあいをさせていただいており、これまでのご繁栄には感服する次第でございます。
(取引企業だからこそ話せる主催者企業のすばらしさや従業員の献身などを語る)
今後も事業をますます発展させ、20周年、30周年の祝賀の日も、ともに迎えられますことをお祈りしております。
本日は誠におめでとうございます。
・お祝いと招待へのお礼を述べ、主催者側の企業としての魅力や節目を迎えるに至るまでの功績などをたたえる。
・主催者側の今後の発展を描き、永きにわたる成功や繁栄を願う。
もう失敗しない!祝賀会で評価を上げる挨拶のコツ
祝賀会での挨拶やスピーチで失敗しないためには、コツを押さえて臨むことが大切です。
具体的なコツを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
長すぎず短すぎない時間で話す
長すぎるスピーチは、聴いている人が疲れたり飽きたりします。
逆に短すぎるスピーチでは、祝賀会を軽んじているように思われます。
理想的なスピーチ時間は約5分です。祝賀会のテーマや規模によっては、1~2分長めでもよいでしょう。
原稿用紙に直せば、3~4枚分で5分程の文字数(1200~1600文字)になります。
ただ、祝賀会の当日は原稿を見ずにスピーチすることが理想です。
主催者側なら来賓を、来賓側なら主役を、いずれも相手に顔を向けて話すようにしましょう。
自分の立場をわきまえたスピーチをする
たとえ自分が主催者側で祝賀会の主役であっても、来賓者には目上の人もいます。
年齢が上の人もいれば、社会的地位の高い人もいるでしょう。
祝賀会は「お世話になった人々への感謝を伝える場でもある」ということを意識してスピーチに臨むことが大切です。
また、来賓側でスピーチする場合は、相手との年齢差や関係性に関係なく、敬意を込めて祝意と招待への謝意を伝えます。
ユーモアのあるスピーチを心がける
主催者側の場合、祝賀会のスピーチはユーモアをもたせて来賓をなごませましょう。
来賓の中には緊張している人もいますし、仕事の延長のように感じて退屈している人もいるからです。
ただし、祝賀会のテーマに沿った、微笑ましい内容のものにしてください。
下ネタや他者をけなすような表現で笑いを取るのはNGです。
そして、当日いきなり笑わせようとするのは避け、事前にスピーチ内容をまとめておくことも大切です。
可能であれば身近な人に聞いてもらうのもよいでしょう。
美しい姿勢で堂々と話す
スピーチの際は、背筋を伸ばして胸を張り、堂々とした姿勢で立ちましょう。
そして肩の力を抜き、顎を引きます。口はマイクから30cm前後離してください。
手は軽く前で組みましょう。礼儀正しく見え、緊張もほぐれるからです。
男性は足をやや外側に向けて開くとスマートですし、女性はかかとをつけて自然につま先を開くとエレガントに見えます。
お辞儀をする際はマイクにあたらない位置に立ち、上半身を腰から45度に折り曲げて頭を下げます。
視線の配り方を工夫する
特に、主催者側の場合はスピーチ中の視線を工夫しましょう。ポイントは「ジグザグ話法」です。
スピーチをしながら、視線をジグザグと多方向に配ります。
コツは「ワンセンテンス・ワンパーソン」で、ひとつの文章の句読点までを目安に、1人ずつ視線を変える方法です。
主催者側にとって聴衆は多くの来賓であるため、いろいろな方向に視線を向けることでメッセージが届きやすくなります。
来賓側の場合は「主催者(主役):来賓」=「8:2」くらいの割合で、主に主催者の方を向いてスピーチするのがよいでしょう。
大きな声で話し方に抑揚をつける
スピーチの際は大きな声で話しましょう。自信に満ちた感じがしますし、話す内容も聴いている人にしっかりと伝わるからです。
また、抑揚をつけた話し方をすると、聴いている人の関心を引き、話している本人も緊張しにくくなります。
強調したい単語やフレーズをしっかりと発声したり、感情を込めたい箇所を語り口調にしたりすると上手く抑揚がつきますよ。
自慢話にならないようにする
主催者・来賓どちらの立場でも、スピーチが自慢話にならないように注意しましょう。
自慢話はしている本人が心地よくても、聴いている人がしらけてしまうからです。
主催者側の場合、自社エピソードをスピーチに含めるのはよいのですが、自社を誇るあまり表現が過剰にならないようにしなければなりません。
業績の高さや良好な経営状態を示したとしても、関連企業などの支えあってのことだと謙遜する姿勢が必要です。
来賓側の場合は主催者側との関係の深さを語る際、大げさにならないようにしましょう。あくまでも主催者側を立てる内容が望ましいです。
忌み言葉を使わない
祝賀会はおめでたい席なので、場にふさわしくない「忌み言葉」を使わないようにしましょう。
忌み言葉とは、いわゆる「縁起でもない言葉」のことです。
たとえば、「やめる・失う・終わる・壊れる・倒れる・消える・落ちる・流れる・崩れる・破る・閉じる・傾く・つぶれる・さびれる・詰まる・負ける・敗れる・赤・中止・変更・取り消し」などは祝賀会で避けるべき言葉です。
スピーチ内容がネガティブなものでなく、仮に「〇〇社長にはゴルフではいつも負けているので」などでも用いるのは止めましょう。
「〇〇社長のゴルフの腕前はプロ並みなので」のように、忌み言葉を抜いた表現にしてください。
まとめ
祝賀会の挨拶やスピーチに慣れていない人は、緊張するでしょうし不安にもなるでしょう。
とはいえ主催者側なら来賓へのこれまでの感謝を、来賓側なら主催者・主役へのお祝いをしっかりと伝えたいものです。
ぜひ本記事で紹介したコツや例文を参考に、自分らしい挨拶やスピーチに臨んでください。
その際は、「上手く話そう」「格好よく喋ろう」と思わないことです。逆にプレッシャーになります。
自分をよく見せることよりも、相手に率直に語ることが大切です。すると、結果的に挨拶やスピーチが自然なものになるでしょう。
主催者側なら「どのような思いと努力で祝賀会を開催するまでに至ったのか」「どれだけ周りの人たちに感謝をしているか」などについて、来賓側なら祝意と招待へのお礼を自分らしい言葉で伝えます。
ぜひ自分らしい挨拶やスピーチで、祝賀会を盛り上げてください。