入社式で新入社員として挨拶をするとき、どのようなことを話せばいいのでしょうか。
新社会人として臨む大切な場面ですから、ふさわしい挨拶で自己紹介や決意表明をしたいものです。
◆この記事でわかること
- 入社式で挨拶をするときの基本構成
- 入社式での挨拶に役立つ例文やポイント
- 入社式で挨拶をするときの注意点
このような、入社式での挨拶にまつわる新入社員の課題を本記事で解決しましょう。
ぜひ、本記事をご活用いただき、晴れやかな挨拶で入社式をお迎えください。
【新入社員向け】入社式で挨拶するときの基本構成
入社式での挨拶を考えるときは、以下のような基本構成に沿ってまとめましょう。
- 自己紹介:名前、出身地、出身校、配属先、職種
- 入社への思い:感謝や喜び、新生活への期待
- 会社への思い:会社の理念や事業への共感、勤務意欲
- 入社後の抱負:目標や意気込みなど具体的な決意
- 締めくくり:入社後の取り組み方と指導や協力へのお願い
それぞれの項目ごとに例文を紹介しますので、ポイントをつかんでいきましょう。
(1)自己紹介
自己紹介では、名前や出身地、出身校、配属先、職種などを話します。
本日よりお世話になります、○○と申します。
出身は□□県で、△△大学□□学部を卒業いたしました。
このたび、△△部□□課に配属され、主に□□業務を担当いたします。
学生時代□□に取り組んだ経験から、常に創意工夫をしながら日々の業務に励む所存です。
(2)入社への思い
入社への思いは、感謝や喜び、新生活への期待などを話します。
本日、こうして入社式を迎えられたことは、大変嬉しく、また身の引き締まる思いです。
このような機会を与えてくださった会社に深く感謝いたします。
社会人として学ぶことも多いと思いますが、新しい環境で活躍できることに心から喜びを感じております。
(3)会社への思い
会社への思いは、会社の理念や事業への共感、勤務意欲についてまとめます。
入社説明会では、「□□」という企業理念に感銘を受けました。
また、地域社会への貢献につながる事業内容を知り、こちらの会社の一員として働けることを誇りに思います。
入社後は会社の発展に少しでも尽力できるよう、業務においても社会人としての振る舞いにおいても努力を重ねてまいります。
(4)入社後の抱負
入社後の抱負では、目標や意気込みなど具体的な決意について述べます。
まずは与えられた業務を着実に遂行するべく、業務内容への理解や早期習得を目標といたします。
そのためには、自ら主体的に学び、積極的に取り組むことを心がけ、専門的な知識や技能、実務能力を高めていきたいと考えております。
(5)締めくくり
挨拶の最後は、入社後の取り組み方を述べながら、指導や協力へのお願いで締めくくります。
まだ社会人として未熟で、課題や改善すべき点が多々あると思いますが、先輩方のご指導を仰ぎながら、一歩ずつ着実に成長していきたいと考えております。
入社後は現場での「報告」「連絡」「相談」の徹底にも努めますので、どうぞ温かくご指導、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
また、基本的な構成に加え、ポジティブな表現を意識することも大切なポイントです。
自信のなさや自己否定的な考え、仕事への不安といったネガティブな発言をしないよう心がけましょう。
【新入社員向け】入社式で挨拶するときに役立つ例文
入社式での挨拶は、どれくらいの所要時間があるかによって話す長さが異なります。
- ●挨拶が「一言」であれば150~200文字程度
- ●挨拶が「1分」であれば300~350文字程度
- ●挨拶が「3分」であれば900~1000文字程度
ここでは、入社式の挨拶で求められる一般的な「長さ」をテーマに例文を紹介しましょう。
入社式の挨拶を「一言」と指定された場合
たとえば、すべての新入社員から挨拶をしてもらいたいとき、新入社員の人数や入社式のプログラムによっては「一言」と指定されることがあります。
入社式の挨拶を「一言」で行う場合は、およそ150~200文字程度を目安にしながら基本構成に沿ってまとめましょう。
本日よりお世話になります、○○と申します。
□□大学を卒業し、△△部に配属されました。
入社を強く希望していたこちらの会社でお仕事させていただけることに、心から感謝しております。
□□という企業理念を念頭に置きながら、一日も早く会社に貢献できるよう努力してまいります。
至らぬ点も多いかと思いますが、ご指導のほどよろしくお願いいたします。
○○と申します。
□□県出身で、△△大学□□学部を卒業いたしました。
こちらに入社できたことを光栄に思い、この日を迎えられましたことを心より感謝いたします。
□□事業に携われることを誇りに、まずは与えられた業務に集中して取り組むことを目標とします。
どうぞ温かくご指導くださいますよう、お願い申し上げます。
□□大学を卒業し、本日より△△部に配属されました○○です。
入社の喜びを心から感じるとともに、社会人としての責任を強く抱いております。
□□の企業理念のもと、企業人として成長していくことで会社に貢献していきたいと考えています。
未熟な点も多々ありますが、誠心誠意努力してまいりますので、ご指導ご鞭撻のほどお願いいたします。
入社式の挨拶を「1分」と指定された場合
たとえば、新入社員が数名で全員から挨拶してもらいたいときや、既存社員との交流をメインにしたプログラムなどの場合は「1分」と指定されることがあります。
入社式の挨拶を「1分」で行う場合は、およそ300~350文字程度を目安にしながら基本構成に沿ってまとめましょう。
本日よりお世話になります、○○と申します。
□□県出身で、△△大学□□学部を卒業いたしました。
このたび、こちらに入社させていただきましたこと、大変光栄に思っております。
大学では国際社会学を専攻し、□□での留学を通じて異文化交流の重要性を学びました。
そのため、こちらの会社がグローバルに事業を展開し、多様な国や地域とつながっていることに強く魅力を感じておりました。
社会人としてはまだ未熟ではありますが、まずは基礎をしっかりと身につけ、与えられた仕事を確実にやり遂げることを第一の目標といたします。
そして、いずれは海外での□□にも関わり、会社の発展に貢献できる人材へ成長していきたいと考えております。
なにごとにも主体性をもって取り組む所存ですので、どうぞご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
入社式の挨拶を「3分」と指定された場合
たとえば、新入社員が数名であったり、新入社員の代表者だけが挨拶をしたりする場合は「3分」と指定されることがあります。
入社式の挨拶を「3分」で行う場合は、およそ900~1000文字程度を目安にしながら基本構成に沿ってまとめましょう。
本日よりお世話になります、○○と申します。
□□県出身で、△△大学□□学部を卒業いたしました。
在学中は情報処理を専攻し、特にプログラミングやシステム開発について学んでまいりました。
このたび、こちらに入社できましたことを大変光栄に思うとともに、社会人として身の引き締まる思いでおります。
大学では、C言語やJavaをはじめとする複数のプログラミング言語を学習し、チームでのアプリケーション開発にも取り組みました。
そういった活動の中で仲間とともに問題を解決しながら、技術だけでなく、協調性や建設的対話の大切さを学ぶことができました。
これらの経験を今後の業務に生かし、一日も早く会社に貢献できる人材に成長できればと考えております。
こちらの会社では□□という企業理念のもと、システム開発やITソリューションを通じて多くの企業や人々を支えていると伺いました。
私自身は、特に、AIやクラウド分野など、成長が期待される領域で挑戦できることに大きな魅力を感じています。
入社後は、先輩方から多くを学び、なにごとにも主体性をもって取り組んでいきたいと考えております。
まずは目の前の仕事に誠実に励み、わからないことは積極的に質問し、自己錬磨する姿勢を忘れずにチャレンジすることを心がけます。
そして、将来的には□□の分野でプロジェクトを任せていただけるようなエンジニアを目指し、チームにも会社にも貢献していきたいと考えております。
まだまだ社会人として未熟ではありますが、努力を怠らず、常に向上心を持って邁進してまいりますので、どうぞ温かくご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
【新入社員向け】入社式で挨拶をするときのポイント
ここでは、入社式で挨拶をするときのポイントを確認しておきましょう。
- わかりやすく簡潔にまとめる
- ハキハキと明るく笑顔で話す
- 社会人としての言葉遣いを意識する
それぞれのポイントについて解説します。
わかりやすく簡潔にまとめる
入社式だからといって、難しい言葉や硬い表現にこだわる必要はありません。
聞き手に伝わりやすくするため、また、新社会人らしい印象を与えるため、わかりやすく簡潔にまとめましょう。
挨拶の基本構成に沿って、それぞれの項目ごとに要点をまとめるのがポイントです。
ハキハキと明るく笑顔で話す
入社式では緊張して声が小さくなったり表情が硬くなったりしてしまいますが、新たなスタートの場ですから晴れ晴れしい気持ちで臨みましょう。
ハキハキと明るく笑顔で話すことを意識すると、聞き手に好印象を与えるだけでなく、話しているときの緊張も和らぎます。
社会人としての言葉遣いを意識する
わかりやすくまとめることは大切ですが、だからといって稚拙な言葉を使うわけではありません。
挨拶であっても「です・ます調」で統一しながら丁寧な表現を心がけ、「伺う」「拝見する」といった謙譲語で新入社員らしい謙虚な言葉遣いになるように意識しましょう。
【新入社員向け】入社式で挨拶をするときの注意点
ここでは、入社式での挨拶で失敗しないよう気をつけたいマナーについて紹介します。
身だしなみは清潔で控えめに
入社式では、とにかく清潔感を心がけて身だしなみを整えましょう。
スーツやシャツのシワはもちろん、靴の汚れ、髪の乱れなどへの気配りが大切です。
メイクや香水、アクセサリーなどによる悪目立ちを避けるため、おしゃれは「控えめ」を意識しましょう。
挨拶のときに姿勢で好印象を
挨拶をするときは、背筋をまっすぐに伸ばし、両足を揃えて立ちます。
そして、まっすぐ前を向き、目線を落とさず、聞き手に気持ちを届ける意識を持ちましょう。
挨拶の前後では一礼すること
挨拶の前に、まず社長や役員などの重役席に深くお辞儀をします。
もし壇上に上がる場合は、壇上で全体に向かって一礼をしましょう。
そして、挨拶を始める前にもマイクの前でお辞儀をします。
マイクとの距離は「こぶし2つ分くらい」で、近すぎず遠すぎない位置に立ちましょう。
挨拶の後は、マイクの前→全体→重役席と挨拶前と逆順で一礼します。
お辞儀をするときは腰から30度くらいを目安に、ゆっくりと丁寧に行いましょう。
入社式の挨拶で「新入社員代表」に選ばれる基準は?
入社式では、新入社員を代表して1名、あるいは男女1名ずつが挨拶をする場合があります。
新入社員代表に選ばれる基準は会社によって異なりますが、一般的には以下のようなものが挙げられます。
・人物的なバランス
・話し方や表現力
・役員や人事担当者の印象
・企業イメージとの親和性
いずれにしても新入社員代表に選ばれるというのは光栄なことですから、会社から挨拶を依頼されたときは自信をもって臨みましょう。
まとめ
新社会人として臨む大切な場面ですから、ふさわしい挨拶で自己紹介や決意表明をしたいものです。
新入社員として入社式で挨拶をするときは、基本的な構成に沿ってまとめましょう。
- 自己紹介:名前、出身地、出身校、配属先、職種
- 入社への思い:感謝や喜び、新生活への期待
- 会社への思い:会社の理念や事業への共感、勤務意欲
- 入社後の抱負:目標や意気込みなど具体的な決意
- 締めくくり:入社後の取り組み方と指導や協力へのお願い
また、入社式で挨拶をするときのポイントを心がけておくと、本番での緊張も和らぎます。
- わかりやすく簡潔にまとめる
- ハキハキと明るく笑顔で話す
- 社会人としての言葉遣いを意識する
本記事では、入社式での挨拶に役立つよう、挨拶の所要時間に合わせた例文や注意点についても紹介しました。
ぜひ、本記事を参考にしながら、入社式には晴れやかな挨拶で臨んでくださいね。
尚、内定式の自己紹介については関連記事がありますので、よければ合わせてご参照ください。