ミーティングと会議は同じようなものと思われがちですが、実際はどのような違いがあるのでしょうか。
また、ミーティングを行うにあたり、どのようなことに気をつければ失敗せず有意義なものにできる のでしょうか。
本記事では、どのようなミーティングもスマートに開催できるよう以下の内容をまとめています。
◆この記事でわかること
- ミーティングと会議の違いと種類
- ミーティングの目的と進め方
- ミーティングを無意味にしない対策
ぜひ、本記事を参考にしながら、ミーティングの準備や実施にご活用ください。
ミーティングと会議の違い
ミーティングと会議の大きな違いは議題や決定事項の重要度 |
ミーティングも会議も同じテーマの下に人が集まり、その場に設けられた目的を共有するといった点では共通しています。
ミーティングと会議の大きな違いは「議題」や「決定事項」の重要度にあるといえるでしょう。
たとえば国際的な場では国家間の重大な協議や決定が行われる「首脳会議」というものがあります。これに対して「日米首脳ワーキングランチ」は昼食をしながら課題についてカジュアルに話し合うランチミーティングです。
つまりミーティングに比べて会議は「議題」や「決定事項」がフォーマリティーで、その影響力も大きく、長期的な方向性が定められることもあるのが特徴。
ミーティングや会議は目的によって異なるスタイルに分けられますので、ここで代表的なものを紹介しましょう。
スタイル | 目的 |
情報共有型 | 進捗状況や決定事項などを報告・共有する |
意思決定型 | 重要な決定事項について話し合い、決定を下す |
問題発見型 | 課題や問題点の原因を分析して解決策を見出す |
アイデア創出型 | 課題に対して多くのアイディア出し合う |
コーチング型 | メンバーの能力向上を図るために指導する |
コミュニケーション型 | チームビルドのため意見交換やメンバーでの交流を図る |
ミーティングの特徴と種類
ミーティングは参加人数が比較的小規模で、主にビジネスコミュニケーションや情報共有を目的としており、組織全体に影響するような重要度の高い意思決定はされません。
種類 | 例 |
1on1ミーティング | 個人面談のように上司と部下が「1対1」で行う |
ブレインストーミング | メンバーがアイデアを出し合いながら議論を深める |
キックオフミーティング | 新プロジェクトの始動前にメンバーで目的や目標を共有する |
プロジェクトミーティング | 課題や進捗状況などを確認し合って今後の方向性を共有する |
会議の特徴と種類
会議では戦略や方針、制度改革など組織全体に影響する重要度の高い協議や決定事項が行われます。会社でいえば管理職や役員、各部署の責任者といった重要ポストによって実施される傾向です。
種類 | 例 |
予算会議 | 各部門や事業ごとへの予算決定など |
営業会議 | 営業部門における現状把握や目標決定など |
経営会議 | 経営陣による現状把握や経営方針の決定など |
決算取締役会 | 企業の年度決算を承認するために開催 |
ミーティングの目的
ミーティングの目的はいくつかありますので、ここでは主なものを紹介します。
- ●情報共有
- ●アイデア出し
- ●意見交換
- ●意思決定
それぞれの目的について特徴やポイントを見ていきましょう。
情報共有
チーム内での進捗状況や問題点、新しく決まった方針などを共有するために行われるミーティング。社内メールや社内チャットでの一方的な連絡と違い、チーム全体でタイムリーに確認し合えるほか、その場で課題が解決することもあります。
アイデア出し
いわゆるブレストミーティング。グループでアイデアを自由に出し合うスタイルです。アイデアがアイデアを呼ぶような場となるよう、複数人で行うからこその効果を狙って実施されます。
意見交換
チームが直面している課題について、メンバー同士で意見交換をするためのミーティング。課題解決がゴールではあるものの、チーム内でのコミュニケーションが活性化されるメリットもあります。
意思決定
部署やプロジェクトチームといった小規模な単位で現場の実務に関わる意思決定などを行う場合のミーティング。あらかじめメンバーと意見交換したり、メンバーから進捗状況を確認したりした上で決定権のある責任者などが集まって実施されるのが一般的です。
ミーティングの進め方
ミーティングを実施するのであれば、有意義なものとなるようミーティングの進め方とポイントを押さえておきましょう。
- ●目的とゴールを設定する
- ●アジェンダ(協議事項)を設ける
- ●対象となるメンバーを選ぶ
- ●事前に資料配布や情報共有をしておく
- ●ファシリテーター(進行役)を置く
- ●時間厳守で実施する
- ●議事録を作成する
- ●WEBミーティングに対応する
それぞれの項目について解説します。
目的とゴールを設定する
ミーティングは目的があれば実施できますがゴールがないと目的が達成できません。ミーティングの目的を決めたら、最終的にミーティングでなにを得るのかという着地点を設定しましょう。
目的:作業効率の改善について話し合う
ゴール:具体的な解決策の決定と日々のチェックリスト作成
アジェンダ(協議事項)を設ける
ミーティングの目的やゴールに沿ってミーティング内容をいくつかのアジェンダ(協議事項)に分けて話し合いましょう。これによりゴールまでの具体的な道すじができますし、ミーティングそのものにメリハリがついて議論がダレず時間も無駄にしないですみます。
目的:新システム運用についての共有
アジェンダ:概要説明、スケジュールの周知、各担当者の決定
ゴール:フローチャートの作成
対象となるメンバーを選ぶ
ミーティングの効率アップにつなげるため、対象メンバーをミーティングの目的に合わせて選びましょう。また、ミーティングテーマとの関連性が強いメンバーが集まることで、ミーティングにおける発言や議論が活発になるメリットもあります。
事前に資料配布や情報共有をしておく
ミーティングに必要な資料配布や情報共有は限られた時間を無駄にしないためにもミーティング実施までに行っておきましょう。また、事前対応をしておくことでメンバー側の準備が整い、ミーティングにおける議論や意見交換も活発になります。
ファシリテーター(進行役)を置く
ファシリテーター(進行役)によってミーティングを進めるメリットはいくつかあります。まず、ミーティングの開始から終了までのタイムマネジメント。そして、発言者が偏らないようサポートすること。さらに議論が白熱したり、脱線したりしたときの軌道修正。
ファシリテーターは中立的な立場でミーティングを進行するのがポイントですから、個人的な見解は述べず会の進行に徹することが求められます。
時間厳守で実施する
ミーティングの所要時間を決めたら時間厳守で実施しましょう。終わりの見えないミーティングではダラダラと時間だけがかかって未収穫になりがち。時間を意識しながら話し合うことで集中的に臨めますし、ミーティングを効率的に行う「クセ」もつけられます。
議事録を作成する
ミーティングの議事録を作成し、ミーティング後の振り返りや関係者への共有に活用しましょう。いつも同じメンバーに任せるというのは不平等ですから、ミーティングごとに担当者を替えることもポイントです。
WEBミーティングに対応する
必要に応じてWEBミーティングにも対応できるようにしておきましょう。メンバー全員が同じ場所に集まれない場合のほか、移動時間やコストをかけたくない場合などにも活用できます。
ただし、ミーティング開始までに対応機器や通信環境、ミーティング参加の手順などを周知させておくことが必須です。
無意味なミーティングに注意!
せっかくミーティングを実施しても進め方を失敗すると「やる意味がなかった」という結果になることがあります。これからミーティングの予定を立てるのであれば、よくある失敗例を参考にしっかりと準備を進めましょう。
- ●ミーティングの目的が定まっていない
- ●一方的な進行や発言で意見が交わされない
- ●振り返りやフォローアップが行われない
- ●ミーティング内容が実際の業務に反映されていない
それぞれの失敗例について対策とともに解説します。
ミーティングの目的が定まっていない
ミーティングの目的が定まっていないと、ただダラダラと時間だけを費やしてしまいます。もちろん議題を明確にしておくことも大切ですが、なにをもってミーティングの目的達成とするか具体的なゴール設定をしておくことが重要なポイント。
ミーティングのゴールに着地するためのアジェンダ(協議事項)をゴールから遡及的に設け、アジェンダに沿って集中的に話し合いをしましょう。それぞれのアジェンダの時間配分を決めておくと進行もスムーズです。
一方的な進行や発言で意見が交わされない
ミーティングとしながらも、いざスタートしてみると限られた人だけの一方的な進行や発言ばかり。これではミーティングではなく講義や発表会と変わりません。
ミーティングに必要なのは双方向あるいは多角的な視点での意見交換。参加者全員に発言の機会を与えたり、アジェンダ(協議事項)ごとに質問時間を設けたりなどして有意義な話し合いにしましょう。
振り返りやフォローアップが行われない
ミーティングを「実施するだけ」では不十分です。ミーティングで共有された内容や決定事項について、どれくらい進捗しているか、なにか問題は発生していないかなど振り返りをしなければ本当の意味での目的は達成されません。
また、ミーティングに参加したメンバーへのフォローアップも必要。ミーティング中に質問できなかったり、ミーティング後に課題が見つかったりなどする場合があるため、メンバーからの問い合わせやメンバーへのサポートに対応できるようにしましょう。
ミーティング内容が実際の業務に反映されていない
ミーティングで話し合われたことが実際の業務に反映されないのであればミーティングそのものが無駄になります。対策としては担当者を置いてミーティング内容をノートなどにまとめること。
そして定期的にチェックしながら解決していることと解決していないことを見極めます。もし解決していないことがあれば、次のミーティングのアジェンダ(協議事項)として改めて話し合うようにしましょう。
まとめ
ミーティングと会議の違いは議題や決定事項の重要度。ミーティングに比べて会議はフォーマリティーで、協議内容や結果が組織全体に大きく影響するのも特徴です。
ミーティングも会議も目的によって形式は変わりますが、それぞれテーマに沿ったスタイルで開催されます。
スタイル | 目的 |
情報共有型 | 進捗状況や決定事項などを報告・共有する |
意思決定型 | 重要な決定事項について話し合い、決定を下す |
問題発見型 | 課題や問題点の原因を分析して解決策を見出す |
アイデア創出型 | 課題に対して多くのアイディア出し合う |
コーチング型 | メンバーの能力向上を図るために指導する |
コミュニケーション型 | チームビルドのため意見交換やメンバーでの交流を図る |
本記事では、ミーティングの目的や進め方、無意味にしないための対策についても紹介しました。ぜひ、本記事を活用しながら、これからのセッティングや当日の進行にお役立てください。
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