【図解】宴会場の上座はどこ?席次の基本マナー&パターン別の席順

宴会場での案内や着席で悩むのが、失礼のない席次ではないでしょうか。

宴会場にも上座と下座があるの?」
「宴会場のタイプによって上座は変わる?」
「宴会場の席次で失敗しないためには?」

このような、宴会場の座席にまつわる疑問や課題を解決しましょう。

◆この記事でわかること

  1. 宴会場ごとの上座・下座の位置
  2. 宴会場の席次を決めるポイント
  3. 宴会場で着席するときのマナー

ぜひ、本記事をご活用いただき、これからの準備や席次表作成、当日の案内、会場での着席にお役立てください!

席次における上座・下座とは?

座席を決めるときに基準となるのが「上座」と「下座」の位置。日本の古い慣習として、身分の高い人が「上手(かみて)」に座るという礼儀作法からくるマナーです。

宴会場だけでなく、結婚式場や飲食店、会議室など、座席がある場所での席順の目安となっています。上座と下座の位置や判断基準がわかれば、宴会での配席がスムーズに行えるでしょう。

宴会場の席次|上座・下座

宴会場の上座を決める基本的なポイントは3つあります。

  1. 出入り口から最も遠い
  2. 快適に過ごせる
  3. 壁際

それぞれのポイントを見ていきましょう。

出入り口から最も遠い

出入口から最も遠い席を上座とするのは、江戸時代における武士社会の考え方からきています。「出入口から遠い席」=「部屋の奥」は、敵の不意打ちから身分の高い武将を守る意味があったためです。

また、出入口に近い席は人の往来や物音が気になる場所であるため、「くつろげない席」=「下座」とされました。

快適に過ごせる

上座は最も大切な客人が座る席であるため、快適さも重視されます。

・風通しがいい
・空調が心地いい
・眺めがいい
・ステージがよく見える
・絵画や調度品が見える

これらは一例で、宴会場のレイアウトやロケーションによって異なります。

もし、快適に過ごせる場所が本来の上座でない場合は、なぜそこに配席したのか相手に理由を添えてから案内しましょう。

壁際

江戸時代における武士社会の考え方として、「壁際」=「安全」ということから上座とされました。また、床の間や掛け軸などの装飾が壁際に設けられるため、和室文化においても上座とされています。

さらに、「静かで落ち着く場所」「周囲を見渡せる場所」であるため、もてなす側から客人への「安心してくつろいでもらいたい」という心遣いもこめられています。

宴会場の席次|和室の場合

宴会場がホテルや旅館などの和室であれば、出入口から最も遠い席を上座とします。また、和室特有の配席として、床の間の前や庭園が見える席が上位となりますので、快適さも重視しながら席次を決めましょう。

さらに、3名以上が横並びで着席する場合は、「左上右下(さじょううげ)」という礼儀作法にならいます。まず、出入口から遠い側の中央に最上位の客人を配席し、その左側→右側の順で立場順に配席。向い側は正面の人と立場順をそろえる形で配席するのがマナーです。

ただし、大広間などでステージが設けられている場合は、「こちらのお席でしたら、お体に負担なくステージでの○○を楽しんでいただけますので、よろしければ、どうぞこちらにお座りください」と理由を添えて案内するようにしましょう。

宴会場の席次|洋室の場合

宴会場がホテルやレストランなどの洋室であれば、出入口から最も遠い席を上座とします。また、洋室特有の配席として、ステージの前や眺めのいい席が上位となりますので、過ごしやすさにも配慮しながら席次を決めましょう。

もし、円卓に着席する場合は、出入口から遠い席を時計の「12時」として「1時」または「11時」の位置を上座とします。そして、「左上右下(さじょううげ)」という礼儀作法にならい、最上位の客人の左側→右側の順で立場順に配席するのがマナーです。

円卓が回転テーブル(ターンテーブル)の場合は、上座の人から時計回りで料理を取ってもらいます。

ただし、円卓の上座からステージが見えづらい場合は、「こちらのお席でしたら、お体に負担なくステージでの○○を楽しんでいただけますので、よろしければ、どうぞこちらにお座りください」と理由を添えて案内するようにしましょう。

宴会場の席次|立食の場合

宴会がビュッフェスタイルの立食パーティーであれば、出入口から最も遠い席を上座とします。また、ビュッフェスタイル特有の配席として、ステージや装花・装飾の前が上位となりますので、過ごしやすさも考慮しながら席次を決めましょう。

さらに、ビュッフェ台付近は人の往来があって落ち着かないため下座となるので、出入口やステージなどとのバランスも考えながら配席の目安としてください。

もし、ステージを設置する場合は、「こちらのテーブルでしたら、お体に負担なくステージでの○○を楽しんでいただけますので、よろしければ、どうぞこちらにご移動ください」と理由を添えて案内するようにしましょう。

宴会場の席次|ソファの場合

ホテルのラウンジやダイニングバーなどでの宴会なら、まず出入口から最も遠い席を上座とします。また、ステージや装花・装飾の前、あるいは眺望がいい場所などが上位となりますので、快適さや過ごしやすさも考慮しながら席次を決めましょう。

さらに、1人掛けソファで3名以上が横並びに着席する場合は、「左上右下(さじょううげ)」という礼儀作法にならいます。まず、出入口から遠い側の中央に最上位の客人を配席し、その左側→右側の順で立場順に配席。向い側は正面の人と立場順をそろえる形で配席するのがマナーです。

もし、ソファのほかにもベンチソファや一人掛けのオットマンなどがある場合は、背もたれやクッションの有無、座面の広さなども考慮しながら快適さで最上位の上座を決めましょう。

ただし、ステージでの演奏やパフォーマンスを観賞する場合は、「こちらのお席でしたら、お体に負担なく○○を楽しんでいただけますので、よろしければ、どうぞこちらにお座りください」と理由を添えて案内するようにしましょう。

宴会場の席次を決めるポイント

宴会場の上座と下座の位置がわかったら、どこに誰を配席するのか席次を決めます。

ここでは、着席がスムーズになるよう席次を決めるポイントを紹介しますので、当日の配席にご活用ください。

  • ●接待の場合は主賓が上座
  • ●社内の場合は役職者が上座
  • ●宴会を仕切る幹事は下座
  • ●宴会によっては柔軟に配席

それぞれのポイントを確認していきましょう。

接待の場合は主賓が上座

取引先や顧客などを接待する場合は、代表者や重役など相手側の中で最上位の主賓を上座に配席します。そして上座を基準に、「左上右下(さじょううげ)」の礼儀作法で左側→右側と立場順や年齢順などで配席しましょう。

社内の場合は役職者が上座

社内のみでの宴会であれば、社長や部長、課長、係長、主任といった役職者の中で最上位の主賓を上座に配席します。さらに上座を基準として「左上右下(さじょううげ)」の礼儀作法にならい、左側→右側と立場順や年齢順、社歴順などで配席するのがマナーです。

宴会を仕切る幹事は下座

幹事が下座に着席するのは、お店の人に注文をしたり、遅刻者を出迎えたりするためです。また、トイレや喫煙所などへの案内、余興の準備やサポートなど、幹事の仕事をスムーズにこなす目的もあります。

宴会によっては柔軟に配席

たとえば、役職者が同席しない宴会やイベント性の強いカジュアルな宴会などでは、上座と下座を厳密に決めなくてもかまいません。くじ引きで席次を決めたり、ゲストの希望で着席してもらったり、場の雰囲気に合わせながら柔軟に配席しましょう。

宴会場の席次で気をつけたいマナー

宴会をマナーよく過ごすため、ゲストには席次に関して気をつけたい注意点があります。

  • ●上座を勧められたら断らない
  • ●席次や流れによっては移動を控える
  • ●断りなく勝手に席替えをしない

それぞれのマナーを確認し、当日の着席や宴会でのアナウンスなどに活用しましょう。

上座を勧められたら断らない

もし、宴会場で上座を勧められた場合は基本的には断らないようにしましょう。

宴会のシチュエーションによって対応が異なりますので一例を紹介します。

「来賓」として迎えられた場合は、「恐れ入ります」「お言葉に甘えて」と丁寧にお礼をしてから上座に着席します。
「目上の人」から勧められた場合は、いったん遠慮してから「恐れ入ります」「お言葉に甘えて」など、お礼してから上座に着席します。

ただし、宴会の幹事は下座の方が動きやすいため、「本日は幹事を務めますので、お気持ちだけいただきます。ありがとうございます」と丁重に断ってもかまいません。

席次や流れによっては移動を控える

たとえば、接待宴会で主賓の前に着席する場合、おもてなしのマナーとして席を移動するのは失礼になります。また、場の雰囲気を壊さないように、主賓がスピーチをしているときや主催者の代表が挨拶をしているときなども席を立たないようにしましょう。

断りなく勝手に席替えをしない

宴会場で決められた席に案内された場合は、幹事や主催者に断りなく席替えをしないよう気をつけましょう。上座や下座といった配席のマナーだけでなく、それぞれのゲストの立場や会場での過ごしやすさなどが席次に反映されているためです。

もし、体調や途中退席など、どうしても席替えしたい理由がある場合は、幹事や主催者に相談してから移動するようにしましょう。

まとめ

宴会場での席次は古くからある礼儀作法にならって「上座」と「下座」を基準にしながら判断しましょう。

宴会場における上座の基本的なポイントは3つあります。

  1. 出入り口から最も遠い
  2. 快適に過ごせる
  3. 壁際

宴会場のタイプや室内装飾、窓やステージの有無などによって「上座」は異なりますので、主賓や目上の方が同席する場合は、おもてなしの意味もこめて上座を決めるとよいでしょう。

もし、出入口に近かったり、ステージから離れていたりして本来の上座でない場合は、なぜそこに配席したのかと相手に理由を添えてから案内すると丁寧です。

本記事では、宴会場の上座と下座の位置を図解とともにパターン別で解説したほか、宴会場の席次を決めるポイントや宴会場の席次で気をつけたいマナーについても紹介しました。

ぜひ、本記事を参考にしながら、これからの準備や席次表作成、当日の案内、会場での着席などにお役立てください。

尚、宴会での「挨拶」については関連記事がありますので、よければ合わせてお読みください。

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