【図解】会議室レイアウト7つの実例|特徴や用途、寸法などポイントまとめ

会議の準備をするとき、会議室のレイアウトがわからないと作業が進みません。

また、会議のクオリティにも影響するため目的や参加人数に応じたレイアウトが求められます。

「会議に向くレイアウトはどんなもの?」
「会議によってレイアウトを使い分けるべき?」
「レイアウトの参考になるキャパや寸法は?」

このように、会議室のレイアウトにまつわる疑問や課題を本記事で解決しましょう。

◆この記事でわかること

  1. 会議室をレイアウトするとき外せないポイント
  2. 会議室レイアウトに使える実例パターン7つ
  3. 会議室レイアウトで押さえておきたい寸法目安

どのようなセッティングにも対応できるよう図解を加えながら解説しますので、これからの準備や当日のレイアウトにご活用ください。

会議室をレイアウトするポイント

会議室のセッティングを行う前に、まずは会議室レイアウトのポイントを確認しておきましょう。

 

●会議の目的に合わせる ・緊密で重要度が高いなら「対面形式」や「ロの字型」
・グループに分かれて行うなら「島型」
・ディスカッション中心なら「島型」や「フレキシブル形式」
・スクリーンやホワイトボードを使うなら「コの字型」や「スクール形式」
・会議中にセッティングを変更したいなら「フレキシブル形式」
・大人数でのセミナーや発表会なら「シアター形式」
●会議に必要な家具を揃える ・会議室に必要分を収容できる「サイズ」か。
・参加人数分に対応した「数」が揃っているか。
・会議にふさわしいのは「固定式」か「可動式」か。
・会議の内容に合わせた「デザイン」や「機能」で選ぶ。
・オフィス家具を新調するときは「サイズ」に注意する。
・テーブルは「固定式」かキャスター付きの「可動式」か。
・椅子は積み重ねられる「スタッキング式」か快適な「チェアタイプ」か。
・必要に応じて使える「パテーション」はあるか。
●会議室の防音対策をする ・会議内容の外部への「情報漏洩」を防ぐため。
・外部からの「雑音」を遮断して会議に集中するため。
※防音ボードや防音シート、防音マットなどで対応。

これから会議室そのものをリフォームしたり新設したりする場合はレイアウトに合わせてオフィス家具の手配や防音対策ができます。

既存の会議室をリニューアルしたり、会議室でない部屋を使用したりする場合は、いま対応できる項目をピックアップしながら会議の目的や参加人数、キャパに合わせたレイアウトに取り組みましょう。

会議室レイアウト7つの実例パターン

会議室のレイアウトは目的や参加人数に合わせて最適なスタイルにしましょう。

ここでは、会議室レイアウトの参考になるよう代表的な7つの実例パターンを紹介します。

  1. 対面形式
  2. スクール形式
  3. ロの字型
  4. コの字型
  5. 島型(アイランド)形式
  6. フレキシブル形式
  7. シアター形式

それぞれの特徴や適する用途、注意点などまとめていますので、ご参照ください。

対面形式

お互いの顔を見ながら緊密な話し合いができる対面形式。少人数での情報共有、利害関係のある二者が向かい合って行う協議などに適したスタイルです。議論やコミュニケーションの活性化を図りたい10名以下での利用に向いています。

 

特徴 長方形のテーブルを挟み、横並びで対面するスタイル。
用途 少人数での打ち合わせや意見交換など実務的なミーティング、取引先との商談など。
注意点 大人数の場合はテーブル端までの距離が遠くなり話しづらくなる。

スクール形式

参加者全員がスクリーンやホワイトボード、演台のある前方を向いて着席するスタイル。学校の教室のような配置からスクール形式あるいはセミナー形式と呼ばれます。少人数での勉強会から大人数での講演イベントまで幅広い用途に応用できるのも特徴です。

 

特徴 テーブルと椅子をスクリーンやホワイトボード、演台などのある前方向きに設置するスタイル。
用途 研修会、講演会、講演会、セミナー、内定式、報告会、発表会など。
注意点 参加者は前方向きで着席するため、ディスカッションやコミュニケーションには不向き。

ロの字型

別名「くちのじ型」とも呼ばれるレイアウトで、横長テーブルをカタカナの「ロ」の字型に設置して参加者が向き合うスタイル。テーブルだけを挟んで向き合う対面形式と違い、いくらか距離を保ちながら向かい合うためフォーマルな場における緊密な議論に適しています。

 

特徴 テーブルで四方を囲むことで中央に空間ができるスタイル。
用途 予算会議、役員会議、方針会議、戦略会議、査定会議など硬めなテーマ。
注意点 レイアウトの内側にスペースが空くため、ある程度の広さが必要になる。

コの字型

横長テーブルをカタカナの「コ」の字型に配置したスタイルです。ロの字型と似た空間を挟む形の対面式ですが、空きスペースにプロジェクターが設置できるためスクリーンへの映写やホワイトボードの使用に適しています。お互いが向き合っているので議論が活発に行えますし、資料や情報を共有しながらタイムリーな意見交換や協議もできるでしょう。

 

特徴 テーブルを「コ」の字型に配置し、内側のスペースにプロジェクターを設置するスタイル。
用途 プレゼンテーション、企画会議、業務報告、定例会議、戦略会議など。
注意点 レイアウトの内側にスペースが空くため、ある程度の広さが必要になる。

島型(アイランド型)形式

会場内に複数のテーブルを島型に設置するスタイルで、「アイランド形式」とも呼ばれます。少人数のグループごとに分かれて着席するため、テーブル単位でのディスカッションやコミュニケーションが活性されます。また、パーティレイアウトでは「正餐(せいさん)形式」として円卓を囲むように着席しますので、パーティを兼ねた総会などにも最適です。

 

特徴 テーブルと椅子を島型に設置し、参加者をグループごとに分けて着席するスタイル。
用途 グループディスカッション、グループワーク、ブレスト会議、パーティを兼ねた総会など。
注意点 全体での話し合いには不向きで、テーブル間の距離があるため広さも必要になる。

フレキシブル形式

可動式の椅子やテーブルを会議の進行に合わせて自由にカスタマイズするスタイル。たとえば少人数でディスカッションした後に全体に向けた発表を行ったり、全員で決定事項を協議したりなど変化のある話し合いに適します。

 

特徴 対面形式、島型形式、コの字型など会議の中でレイアウトを柔軟に変えられるスタイル。
用途 ブレスト会議、ディスカッション、コミュニケーション、グループワーク、懇親会など。
注意点 レイアウト変更でタイムロスしないよう進行と合わせて配置の流れを決めておくこと。

シアター形式

映画館のように椅子だけを前方に向けて設置するスタイル。大人数に向けた一方的な発表や紹介をする場合に適します。スクール形式と違い、テーブルの設置がないため限られたスペースに多くの参加者を収容できるのも特徴です。参加者が筆記できるよう、必要に応じて白紙シートや資料をバインダーに挟んでおくとテーブルの代用になります。

 

特徴 テーブルは置かず、椅子だけを設置して全員が前方を向いて座るスタイル。
用途 発表会、講演会、入社式、報告会、社員総会、壮行会など。
注意点 テーブルがないためノートをとるのには不向きでディスカッションにも向かない。

会議室レイアウトの寸法

会議室をセッティングするときは参加人数に応じた寸法を確保することが大切です。

ここでは、レイアウトの目安となる標準的な寸法について解説しましょう。

 

1人あたりに必要なスペース 幅600〜800mm
テーブルサイズ 幅/人数に応じたサイズ、奥行き/450〜600mm(テーブルを挟んで対面する場合は900〜1500mm)
テーブル間の距離 900mm(通行のためには1200mm必須、メイン通路などは2人で通行できる1,600mm以上を推奨)
テーブルから壁までの距離 900mm~1200mm(ホワイトボード設置の場合は1200mm以上)

テーブルサイズによる変動はありますが、テーブル間やテーブルから壁までの距離を確保して動線をスムーズにしましょう。

会議室レイアウト/寸法(4~6名)

壁からの距離は「1」「2」とも900mm以上が必要です。出入口の開閉や人の往来に影響する「2」は1000mm以上で広めに取ってもいいでしょう。いずれも着席した状態で後方を人が通行する場合は最低1200mmのスペースが必要です。

 

4名の場合 寸法
テーブルから壁までのスペース900mm × 2 + 1人あたりのスペース600mm × 2 = 3000mm
奥行 テーブルから壁までのスペース900mm × 2 + テーブルの奥行900mm = 2700mm
面積 幅3000mm ×奥行 2700mm = 8.1 = 約9平方メートル(※テーブルの片端を壁面につければ「-900mm」で約6平方メートル)

 

6名の場合 寸法
テーブルから壁までのスペース900mm × 2 + 1人あたりのスペース600mm × 3 = 3600mm
奥行 テーブルから壁までのスペース900mm × 2 + テーブルの奥行900mm = 2700mm
面積 幅3600mm × 奥行2700mm = 9.72 = 約10平方メートル(※テーブルの片端を壁面につければ「-900mm」で約8平方メートル)

また、それぞれテーブルの片端を壁面につけるスタイルだとキャパが抑えられます。

会議室レイアウト/寸法(8~10名)

壁からテーブルまでのスペースとなる「1」は最低900mmは空けて、「2」は出入口は扉の可動域や椅子の引きしろ、座っている人の後方の通行を考えるとテーブルから壁まで1200mmほどの確保が必須です。「3」にホワイトボードを設置する場合は1200mmほどスペースを空けましょう。

 

8名の場合  
テーブルから壁までのスペース900mm × 2 + 1人あたりのスペース600mm × 4 = 4200mm
奥行 テーブルから壁までのスペース1200mm × 2 + テーブルの奥行900mm = 3300mm
面積 幅4200mm × 奥行3300mm = 13.86 = 約14平方メートル(※テーブルの片端を壁面につければ「-900mm」で約11平方メートル)

 

10名の場合  
テーブルから壁までのスペース900mm × 2 + 1人あたりのスペース600mm × 5 = 4800mm
奥行 テーブルから壁までのスペース1200mm × 2 + テーブルの奥行900mm = 3300mm
面積 幅4800mm × 奥行3300mm = 15.84 = 約16平方メートル(※テーブルの片端を壁面につければ「-900mm」で約13平方メートル)

また、それぞれテーブルの片端を壁面につけてセッティングするとキャパが抑えられます。

●30人程度の場合は?

たとえばテーブルと椅子を設置したスクール形式で30人分の席をセッティングすると120平方メートルほどの広さが必要です。

 

30名の場合 寸法(※5人が6列で着席するスクール形式)
テーブルから壁まで1200mm × 2 + 1人あたりのスペース600mm × 5人 + テーブル間の距離1000mm × 4 = 9400mm
奥行 テーブルから壁まで1200mm × 2 + テーブルの奥行900mm × 6列 + テーブル間の距離1000mm × 5 = 12800mm
面積 幅9400mm × 奥行12800mm = 120.32 = 約120平方メートル(※メイン通路を設ける場合は「+600m」で約130平方メートル)

どのレイアウトでも「1人あたりに必要なスペース」「テーブル間の距離」「テーブルから壁までの距離」に必要な寸法は共通しています。

 

1人あたりに必要なスペース 幅600〜800mm
テーブル間の距離 1000mm(メイン通路などは2人で通行できる1,600mm以上)
テーブルから壁までの距離 1200mm(ホワイトボードやプロジェクターの設置)

テーブルなしのシアター形式でセッティングするとキャパを約37平方メートルほどまで抑えられます。

 

30名の場合  寸法(※5人が6列で着席するシアター形式)
壁から椅子までのスペース1200mm × 2 + 1人あたりのスペース600mm × 5人 = 5400mm
奥行 着席スペース400mm × 6列 + 椅子間の距離400mm × 5 + 壁から椅子までの距離1200mm × 2 = 6800mm
面積 幅5400mm × 奥行6800mm = 36.72 = 約37平方メートル(※最後列を壁に付ければ「-1200mm」で約31平方メートル)

シアター形式はディスカッションや筆記には不向きですが、講演会や報告会、壮行会、入社式、社員総会など着席したまま見聞きするだけで参加できる集まりには適しています。

会議室レイアウト/寸法(コの字型)

コの字型レイアウトでは壁からテーブルまでの各通路「1」「2」「3」は全体の動線となるため十分に確保しましょう。「4」はスクリーンやホワイトボードなど設置する物に合わせた寸法で壁からのスペースを空けます。

 

1人あたりに必要なスペース 幅600〜800mm
テーブルから壁までの距離 1200mm~(通路となる動線)※「1」「2」「3」
前方からテーブルまでの距離 900mm~1200mm(ホワイトボード設置の場合は1200mm以上)※「4」

こちらの寸法はロの字型レイアウトにも応用できます。

会議室レイアウト/寸法(スクール形式)

前方スペース「1」はスクリーンやホワイトボードなど設置する物に合わせた広さが必要です。また、大人数になるほど通行量が増えるため、安全面からも「2」「4」の通路となる動線にはゆとりをもったスペースを確保しましょう。「3」のテーブル間はメイン通路を設ける場合1600mm以上が必要です。

 

1人あたりに必要なスペース 幅600〜800mm
テーブル間の距離 900mm(メイン通路になる場合は「3」は1,600mm以上)※「3」「5」
テーブルから壁までの距離 900mm~1200mm(ホワイトボード設置の場合は1200mm以上)※「1」
1000mm~1200mm(通路となる動線)※「2」「4」

こちらの寸法はテーブルを置かないシアター形式のレイアウトにも応用できます。デスク寸法ではなく、着席した状態のスペースと椅子間の距離をセッティング状態に合わせて算出しましょう。

 

1人あたりに必要なスペース 幅600mm
着席スペース 奥行400mm
椅子間の距離 長さ400mm
壁から椅子までの距離 長さ1200mm

まとめ

会議室のレイアウトで大切なのは目的や参加人数に合わせて最適なスタイルにすること。さらに、可能な限りオフィス家具や防音対策にこだわると快適で有意義な会議室に仕上げられるでしょう。

本記事では、目的や参加人数に合わせて活用できるよう、会議室レイアウトの実例を紹介しました。

  1. 対面形式
  2. スクール形式
  3. ロの字型
  4. コの字型
  5. 島型(アイランド)形式
  6. フレキシブル形式
  7. シアター形式

また、それぞれの特徴や用途、注意点のほか、レイアウトの目安となる標準的な寸法についても解説しましたので、ぜひ、実際のセッティングにお役立てください。

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