内定式での自己紹介は会社の方の前でもあり、「うまく話せるかな……」「どんなことを話せばいいいの?」と悩みますよね。
また、「どれくらいの時間で話せばいいの?」「どうすれば好印象になる?」といったことも気になるのではないでしょうか。
本記事では、内定式の自己紹介に失敗なく臨めるよう、原稿の作成に役立つ例文やポイントを紹介します。
自己紹介を成功させるための準備や本番での注意点もまとめていますので、ぜひ、内定式でのスマートな自己紹介にご活用ください!
なぜ内定式で自己紹介するの?
採用面接での自己紹介との大きな違いは「コミュニケーション」につなげるため。内定式では社員や他の内定者と交流を図る機会が設けられますから、自己紹介で自分に関心をもってもらえると交流の場での会話もはずみやすくなります。
もちろん会社側に自分をアピールする場面でもありますが、内定式の開催目的は「学生と会社の相互理解を深める」ためです。したがって、相手に与える好印象を意識しながら自分らしさが伝わるような自己紹介に臨みましょう。
内定式の自己紹介で伝えたい4つのテーマ
ここでは、わかりやすくスマートな自己紹介ができるよう4つのテーマを紹介します。
- 趣味、特技、強み…「自分を知ってもらう」
- 大学で励んだこと…「自分の個性や人柄に触れてもらう」
- 志望理由…「自分の熱意や価値観が伝わる」
- 入社後のビジョン…「会社に意気込みが伝わる」
自己紹介の中での順番や構成に決まりはありませんが、たとえば「自分のこと」→「大学生活でのこと」→「会社についてのこと」という流れでまとめるのもひとつ。
もちろん、すべてのテーマを盛り込む必要はありませんので、与えられた持ち時間の中で「自分」が伝わる自己紹介をまとめましょう。
それぞれのテーマについて、ここから具体的なポイントを解説します。
【1】趣味、特技、強み「自分を知ってもらう」
自分が「どういう人物なのか」ということを、趣味や特技、強みから知ってもらいましょう。
趣味や特技によって「なに」を得たかも付け加えると、内定式での自己紹介にふさわしいアピールになるでしょう。
【2】大学で励んだこと「自分の個性や人柄に触れてもらう」
これまで大学で自分が取り組んだことを伝えながら、自分の個性や人柄に触れてもらいましょう。
例:大学では○○サークルに所属していました。もちろん自分が○○をマスターできるようになったのは嬉しいのですが、なにより多くの仲間と一体感をもって○○を達成できたことが大きな自信となりました。
例:アルバイトで○○をしているのですが、お客様とのコミュニケーションから学べることが多く、また、お客様の声を別の接客の場面で生かせることもあります。当初は学費の足しになればと始めましたが、いまでは貴重な社会経験として有意義な機会だと感じています。
どのような体験で自分がどのように成長したのか、内面的な変化も表現すると個性や人柄が伝わりやすくなるでしょう。
【3】志望理由「自分の熱意や価値観が伝わる」
その会社に「なぜ」入社したいのか、志望理由に込められた熱意や価値観が伝わると会社の方との距離感も縮まります。
例:たまたまネット記事で見た○○に興味がわき、やがて○○業界で働きたいと強く感じるようになりました。いろいろ調べていくうちに御社の事業を知り、業界を牽引する活躍はもちろん、ユーザーの満足度の高さや社員の方々のエンゲージメントの高さにも感銘を受けて入社を希望しました。
その会社に関心をもつようになった「きっかけ」から実際にエントリーするまでのストーリーを伝えるのがポイント。あまり盛り過ぎず、客観的な事実と率直な思いでまとめると受け取ってもらいやすくなります。
【4】入社後のビジョン「会社に意気込みが伝わる」
自分は「どのようなこと」を、「どのように」取り組みたいのか、入社後のビジョンを示すことで会社の方に意気込みが伝わります。
例:これまでインターシップやオフィス見学会など、さまざまな機会を与えていただき、それまでの志望動機が明確な決意となりました。御社の製品(サービス)でより多くの人の暮らしに役立てるよう、自分の得意分野であるプログラミングで貢献していきたいと思います。
自分の取り組みによって実現したい展望を具体的にかかげると意気込みの熱量が上がります。
内定式の自己紹介を「1分」でまとめる例文
通常、内定式での自己紹介は「1分」程度にまとめるのが適切とされています。
ここでは、内定式での自己紹介を「1分」でまとめられるよう300文字程度で例文をご紹介。
- ●基本の項目と流れでまとめた例文
- ●自分の強みを生かした個性的な例文
- ●ユーモアをもたせた面白い例文
内定式の雰囲気や自分らしさの表現に合わせられるよう3つのパターンに分けていますので、ぜひ、参考にしてください。
そして、ダラダラと時間だけかかる自己紹介にならないよう、5つの「W」である「When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「What:何を」「Why:なぜ」と、1つの「H」である「How:どのように」といった「5W1H」を意識しながら明快な文章でまとめるのもポイントです。
基本の項目と流れでまとめた例文
初めまして。○○大学◇◇学部△△学科の○○○○です。
映画鑑賞が趣味で、○○監督の作品が特に好きです。直近では「○○○」という映画を観たのですが、世界的にも評価の高い映像美はもちろんのこと、長く後を引くラストの余韻で「人生」についても考えさせられました。いろいろなジャンルの映画を観ますので、もし映画好きの方がおられましたら、ぜひ、おすすめの作品を教えてください。
私は○○サークルに所属していましたので、体力には自信があります。また、アルバイトでは○○を経験しており、○○業界のトレンドに詳しいと自負しています。
○○業界のパイオニアである御社では○○に取り組みたいと入社を希望いたしました。入社後は課題を解決しながら人間的にも成長したいと考えています。お力をお借りすることも多々あるかと思いますが、どうぞよろしくお願いします。
こちらの例文では「自分のこと」→「大学でのこと」→「会社についてのこと」を端的にまとめています。
自分の強みを生かした個性的な例文
初めまして。○○大学◇◇学部△△学科の○○○○です。
私は大学で◯◯を専攻していて○○の研究をしてきましたので、○○業界のパイオニアである御社で○○に取り組みたいと入社を希望いたしました。
このような分野に関わっていると技術的なことばかりが注目されますが、実は好奇心やチャレンジ精神、継続力などが養われます。また、直面する課題ごとに対処していく柔軟性も身に付いたのではないかと自負します。
こちらの会社への入社を志望したのは○○がSDGs時代の生産性に大きく貢献していることに感銘を受けたからなのですが、これまで培ってきた経験を生かせるよう、入社後はコンテンツマーケティングの分野で精一杯取り組みたいと思います。
まだまだ社会人としての経験も積まなければならないですが、先輩方から多くを教わりながら仕事ができることを今からとても楽しみにしています。どうぞよろしくお願いします。
こちらの例文では、得意分野を軸に「体験談」をからめながら、今後の「抱負」に発展させるようまとめています。
ユーモアをもたせた面白い例文
初めまして。○○大学◇◇学部△△学科の○○○○です。大学では心理学を専攻しています。
私が心理学に興味をもったのは高校に入学した頃で、自分の思考パターンを深掘りしたかったことがきっかけです。ちょっとしたことで落ち込んでばかりだった私は、心理学を勉強すれば自分のネガティブ志向を克服できるのではないかと考えました。
高校3年間は心理学の本もたくさん読みました。そのおかげで脳科学の領域にたどり着き、いまでは自分の思考を「科学」できるまでになりました。
こちらの会社では○○に従事させていただけるとのことで心理学は直接関係ないかもしれませんが、もし、「メンタルヘルスケア」でお役に立てるのでしたら、個人的にご相談にのります。私が入社しましたら休憩時間などにお声がけください。もちろん守秘義務は遵守しますので、ご安心ください!
本業については1日も早く覚えられるよう取り組みますので、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
フランクな社風の会社なら、内定式での自己紹介を面白くさせて自己アピールしても喜ばれるかもしれません。ただ、「面白い」といってもウケを狙ったネタで勝負するわけではなく、自分の特技や専門分野などの「事実」を元にユーモアをもたせるといったコツを押さえておきましょう。
内定式での自己紹介を成功させる準備4つ
ここでは、内定式での自己紹介を成功させるための準備を4つ紹介します。
- 話す内容を分けてまとめておく
- 本番さながらに時間を計って練習する
- 自己紹介を自撮りして確認する
- スライドを作成する場合はわかりやすく
それぞれ詳しく見ていきましょう。
【1】話す内容を分けてまとめておく
持ち時間の変更や他の内定者との内容かぶりなどに備え、自己紹介で話す内容を分けてまとめておきます。
~必ず話す内容~
・名前
・大学名、学科、専攻など
・志望理由、入社後の抱負など
~必要に応じて話す内容~
・趣味、特技、強み
・学生生活で取り組んだこと
・学生生活で得られたこと
たとえば「1分」につき「300文字程度」を目安にして、「1分」「3分」「5分」などのパターンでボリュームの違う内容を用意しておくと所要時間でも臨機応変に対応できるでしょう。
【2】本番さながらに時間を計って練習する
ぶっつけ本番で挑まず、しっかり時間を計って声に出して練習しましょう。いくら「1分」につき「300文字程度」を目安に内容をまとめても、実際に人前に立って話すとなるとスピード感がイメージ通りにいかないかもしれません。
また、ただ原稿を読み上げるだけの不自然な自己紹介も避けたいですから、行間や抑揚を意識しながら持ち時間の範囲でまとまるか確認する必要もあります。
【3】自己紹介を自撮りして確認する
自己紹介は自分のことを「言葉」で伝えるだけではありません。やはり表情や話し方、声にのっている思いなども含めて自分を知ってもらうことが大切です。
自己紹介で話す内容がまとまったら、時間を計りながらの練習を自撮りして客観的に確認しましょう。可能であれば家族や友人にも見てもらってアドバイスをもらってもいいですね。
【4】スライドを作成する場合はわかりやすく
もし会社からの指定で自己紹介用にスライド作成をするのであれば、パワーポイントなどのプレゼンツールを使ってまとめましょう。
自己紹介スライドの作り方については詳しい動画を参考にしてくださいね!
・例:名前・出身大学・学部・学科・趣味・特技・意気込み・座右の銘など。
・フォントや色のバランスを考えたシンプルなレイアウトで仕上げる。
内定式の自己紹介で好印象を与えるポイント5つ
ここでは、内定式での自己紹介で好印象が与えられるよう5つのポイントを紹介します。
- 快活な挨拶から始める
- 明るくハキハキと話す
- コンパクトにまとめる
- 自分らしさを出す
- 聞き手の顔を見ながら話す
それぞれのポイントを見ていきましょう。
快活な挨拶から始める
自己紹介での「挨拶」は第一印象にも関わりますから、新入社員らしく快活に挨拶しましょう。
~挨拶の手順一例~
・役員に向けて一礼してから登壇
・壇上で会場全体に向かって一礼
・自己紹介の前にマイクの位置で再び一礼
・例「本日は内定式を開催していただきありがとうございます」と挨拶
・自己紹介が終わったらマイクの前で一礼
・降壇したら役員に向けて深々と一礼
内定式の会場によっては登壇がない場合もあります。その場で起立するスタイルでも、礼儀正しい立ち居振る舞いで臨みましょう。
明るくハキハキと話す
せっかく自己紹介するのですから、小さな声でボソボソと話すより明るくハキハキと話しましょう。たしかに人前で話すのは緊張するかもしれませんが、明るい表情や明快な発声を意識すると緊張を和らげる効果もあります。
コンパクトにまとめる
もし持ち時間を指定されていなくても、自己紹介はコンパクトにまとめるのがマナーです。作文の構成に「起承転結」があるように、内定式での自己紹介も「自分のこと」→「大学のこと」→「会社のこと」というように流れを作るとボリュームに関わらずまとまりやすくなります。
自分らしさを出す
「自分らしさ」といっても自分では「正解」がわからないかもしれませんが、まず、「言葉で自分を飾らないこと」です。あまり使わない言葉を自己紹介用に無理やり盛り込んだり、インパクトだけにこだわったりといったことは控えましょう。
とにかく自分の率直な思いや自分が体験した事実を、できるだけ普段の自分の言葉で表現しましょう。
聞き手の顔を見ながら話す
人前に立つと、つい目を逸らしたり顔を下に向けたりしてしまうものですが、表情を伝えるのも自己紹介の大切なポイント。自己紹介では聞き手の方を向き、相手の目線の高さに視線を置いて話しましょう。
また、視線を固定せず、適度に視線の先を変えると自然な自己紹介になります。
これはNG!内定式の自己紹介で注意したいこと
せっかく自己紹介の内容がまとまっても、内定式本番での「NG」に注意しておかないと印象を下げてしまいます。
・「特技」や「強み」ばかりの自慢話にならないように。
・持ち時間を超えてダラダラと長く話さないこと。
また、時間を意識して焦ったり、うまく話そうとし過ぎたりしても失敗につながりますから、「少しくらい言い間違いがあってもいい」と自分を落ち着かせるのも大切なポイント。胸を張って堂々と明るく自分らしさを打ち出しながら自己紹介に臨みましょう!
まとめ
内定式での自己紹介は、テーマや時間を考えながら自分らしさが伝わる内容にまとめましょう。とにかく言葉を飾らず、率直な思いや実際の体験にもとづいたエピソードで自分を伝えることが大切です。
自己紹介の制限時間がなくてもコンパクトにまとめることを意識し、「1分」で話す文字数を300文字程度として実際に声に出して練習もしておきましょう。できるだけ自撮りをして、自分のほかにも家族や友人に確認してもらって本番に備えましょう。
本記事では、自己紹介が「1分」でまとまる例文をパターン別で紹介しました。好印象を与えるポイントや気をつけたいNGポイントも参考にして、自分らしい自己紹介を考えてくださいね!
尚、内定式の時期や準備といった基礎知識については以下の記事で詳しく紹介していますので、よろしければ合わせてお読みください。