上司や取引先との食事で失敗しない会食マナーの要点まとめ

上司や取引先といった仕事関係者と会食をするときに気になるのがマナーではないでしょうか。

たとえゲストとして招かれても振る舞いに迷うかもしれませんし、ホストであれば接待における作法で悩みますよね。

本記事では、ビジネス会食の場にふさわしいマナーについて紹介します。

会食の準備から退店後までの流れに沿ってポイントをまとめていますので、ぜひ、当日までに備えてくださいね。

幹事や接待者は会食前の準備から

幹事や接待者として会食の場を設けるのであれば、お店選びから案内までの準備が必要です。

どのような準備をしていけばいいのか、ここでは接待をする側にとっての大切なポイントとともに確認していきましょう。

◆お店選びと予約

・会食にふさわしい落ち着いた雰囲気があるか。
利用人数に応じた座席や個室は確保できるか。
アクセスしやすい場所にあるか。
予算の中で目的に合った食事が提供できるか。
・人数や料理など最終報告の期日はいつか。
支払い方法やインボイス対応はどうか。

◆ゲストへの気配り

・お店のジャンルが相手の好みに合っているか。
アレルギーや苦手食材などはないか。
お店がアレルギーや苦手食材に対応できるか。

◆お店へのリクエスト

日時、人数、予算、希望メニューなど基本情報を伝える。
・商談や打ち合わせ、親睦といった具体的な目的を伝える。
お店といい関係を築いておく!お店を予約するときは問い合わせから最終報告までのやり取りの中で丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。いい関係を築いておけば、会食当日の要望や相談にも応えてもらいやすくなります。
できるだけ下見や試食をしよう!ゲスト目線でアクセスや店内の雰囲気を下見しましょう。また、試食すれば味がわかるほか、お店のこだわりや料理の特徴などがわかり、当日のゲストとの話題にもなります。
ゲストに詳細を案内する!詳細が決まったら、ゲストに会食の案内をしましょう。日時店名場所電話番号アクセスなどに加え、予約者名も伝えておくと、お店の人がゲストをスムーズに予約席へ誘導できます。

入店から着席まではスマートに

会食の予定時刻だからと入店や着席は勝手に行わないようにしましょう。

また、幹事や接待者などの「ホスト」と接待を受ける側の「ゲスト」とで違う入店や着席の順番にも配慮がいります。

◆入店のときは「立場」にも気をつけて

・幹事や接待者などのホストは早めに到着してゲストを迎える
・接待の場合はホストが先に入店してチェックインする
・接待では接待者」→「取引先」→「自分の上司の順で入店する。
・自分がゲストの場合は案内されるまで入店せず待っておく
・自分がゲストでも遅刻厳禁で5~10分前に到着するよう移動する。

◆着席は座る順番を間違えず姿勢正しく

・接待では取引先」→「自分の上司」→「ホストの順で着席する。
・お店の人が椅子を引いてくれたら必ず相手の顔を見てお礼を述べる
・ホストでもゲストでも着席したら食事後まで姿勢を正して座る
席へは案内されてから移動!お店に到着したら全員揃っていても案内されるまで待機しておきましょう。お店側の段取りに合わせるためだけでなく、お店の方のアテンドによって会食のシーンをスマートにさせるためでもあります。
お店の方との会話も丁寧に!会食はゲストとホストで行われるものですが、会食をサポートしてくれるお店の方も大切な存在。いくら仕事上の付き合いがない相手でも、お店の方との会話では言葉遣いに気をつけ高圧的な態度や横柄な物言いにならないよう注意しましょう。
お店の設備について確認も!接待をする側は「トイレの場所」「喫煙所の有無や場所」など、お店の設備を会食前に確認しておきましょう。ゲストにたずねられたとき、すぐに対応するためです。

会食の席次は上座と下座を見分けて

お店の方が案内してくれるのは席のある場所までです。いくつか並べられた座席の「どこ」に座ればいいのか、それには上座と下座をとっさに見分けることがカギとなります。会食における立場で座るべき位置が違うので、しっかりと位置関係を把握しておきましょう。

◆上座と下座の見分け方

上座は出入口から遠い席……取引先や上司などのゲストが着席
下座は出入口に近い席……幹事や接待者などのホストが着席

◆個室の基本的な位置関係

和室であっても洋室であっても個室では出入口から最も遠い席が上座で、出入口に最も近い席が下座です。

◆床の間がある和室の位置関係

和室タイプの個室に「床の間」がある場合は床の間の前が上座です。

◆テーブル席での位置関係

テーブル席に座るときも個室(あるいは店内)の出入り口から最も遠い席が上座です。

◆円卓での位置関係

出入り口から最も遠い席を上座とし、立場順で下座へと配席します。

◆特殊な空間での位置関係

たとえば眺めのいい窓があった場合、本来なら下座の席が上座となるケースもあります。もし、会食が庭園の見える日本料理店や夜景が美しい高層階レストランなどで行われるなら、接待では通常の位置関係にとらわれず最適な座席へゲストを案内しましょう

大切なのは過ごしやすさ!接待では、ゲストにとって快適かどうか、ホストにとって接待やサポートがしやすいかどうかなど立場による過ごしやすさの違いも考慮しながら適切な配席をしましょう。

着席から退店まで気を抜かずに

どのような目的であっても、ビジネス会食では「ただ食事を一緒に楽しめばいい」というわけにはいきません。着席してから退店するまでマナーに気を配る必要がありますので、ここでは会食の流れに沿って押さえておきたいポイントを確認していきましょう

◆着席

お店の人が椅子を引いてくれる場合は椅子の左側から着席します。ひざが椅子に触れるタイミングを目安にして腰をゆっくり降ろしましょう。テーブルから握りこぶし2個くらいの間隔を空けて座るとスマートです。

◆注文

予約時に注文を済ませている場合は飲み物を注文します。接待の場合は「とりあえずビールでいいですか?」と聞かず、「なんでもお好きなものをどうぞ」と相手の好みを優先するようにしましょう。また、食事中にゲストのグラスが空きそうになったら「お替わりはいかがですか?」などと気遣いながら追加注文をします。

◆お酒

お酒が苦手な相手に無理にすすめるのは厳禁。もし自分が飲めない場合は最初の一杯だけ口を付ける程度に付き合い、二杯目からは「○○(飲み物)で失礼いたします」と、ひと言添えると丁寧です。ゲストでもホストでも、相手との親交を深めようとして飲み過ぎないように注意しましょう

◆食事

接待では、ゲストが食事に箸をつけてからホストもつづきます。ゲストが遠慮している場合は、「どうぞ温かいうちに」「お好きだと伺いましたがお味はいかがでしょうか」など、箸がつけやすくなるよう丁寧にすすめましょう。また、クチャクチャと音を立てないで食べるのもマナーです。

◆気遣い

あまり神経質になる必要はありませんが、接待ではゲストが心地よく過ごせるよう気遣いも心に留めておきましょう。たとえば「おしぼりの替えをお願いする」「お酒を和らげるため、お冷やを用意してもらう」「食事後に人数分のお茶を淹れてもらう」など、ささやかなサポートがあると会食がより快適になるよう運べます。

◆会話

会食での会話がはずむよう、いろいろな話題を頭にインプットしておきましょう。たとえば「木戸に立てかけし衣食住」といって「気候」「道楽(趣味・特技)」「ニュース」「旅」「テレビ」「家庭・家族」「健康」「仕事」「ファッション」「食べ物」「住まい・暮らし」といったテーマを活用するのもポイントです。

◆会計

接待の場合はゲストから見えないところで支払いを済ませます。カード払いや請求書払いなど予約時に支払い方法を確認しておくのもお忘れなく。もし接待をされた側なら、お店を出るタイミングで「すっかりごちそうになってしまい、誠にありがとうございます」とお礼を述べましょう。

ゲストの帰宅をサポート!退店後のゲストがスムーズに帰宅できるようタクシーを手配するのもホストの務め。あらかじめタクシー代タクシーチケットを用意しておき、さりげなく封筒に入れて渡すとスマートです。
手土産は帰り際に渡す!接待におけるゲストへの手土産は帰り際に渡しましょう「お好きだと伺ったので」「ぜひ召し上がっていただきたくて」などの言葉を添えるとゲストに受け取ってもらいやすくなります。
二次会に備えておく!幹事や接待者は二次会に流れる場合を想定し、一次会の場所から近い」「二次会に対応できる営業時間といった条件のお店をピックアップしておきましょう。ゲストの希望や会食後の雰囲気に合わせられるよう、カラオケやダーツバー、カフェバーなど複数のジャンルから選んでおくのもポイントです。

会食でのタブーにも気をつけて

ビジネス会食では好ましいマナーだけでなく、やってはいけないタブーにも気をつけなければなりません。ゲストであってもホストであっても相手に失礼のないよう細心の注意を払いましょう。

◆これはNG

・食べ物が口に入ったまま話す。
・食事中にを触る。
・お店の人を大声で呼ぶ。
自慢話説教を長々と話す。
・自社の機密情報を漏らす。
・食事の場での通話メール
・ゲストが話している途中での離席
許可なく写真撮影したりSNSに写真をアップしたり。

まとめ

上司や取引先などとのビジネス会食ではマナーを意識しながらスマートに臨みましょう

やってはいけないタブーに注意しながら有意義なひとときにすることもマナーです。

本記事では、ゲストでもホストでも大切な会食で失敗しないよう、準備から退店後までの流れに沿ったポイントを紹介しました。

ぜひ、本記事を参考にしながらビジネス会食を大人の所作で過ごしてくださいね。