上司や取引先といった仕事関係者と会食をするときに気になるのがマナーではないでしょうか。
たとえゲストとして招かれても振る舞いに迷うかもしれませんし、ホストであれば接待における作法で悩みますよね。
本記事では、ビジネス会食の場にふさわしいマナーについて紹介します。
会食の準備から退店後までの流れに沿ってポイントをまとめていますので、ぜひ、当日までに備えてくださいね。
幹事や接待者は会食前の準備から
幹事や接待者として会食の場を設けるのであれば、お店選びから案内までの準備が必要です。
どのような準備をしていけばいいのか、ここでは接待をする側にとっての大切なポイントとともに確認していきましょう。
◆お店選びと予約
・利用人数に応じた座席や個室は確保できるか。
・アクセスしやすい場所にあるか。
・予算の中で目的に合った食事が提供できるか。
・人数や料理など最終報告の期日はいつか。
・支払い方法やインボイス対応はどうか。
◆ゲストへの気配り
・アレルギーや苦手食材などはないか。
・お店がアレルギーや苦手食材に対応できるか。
◆お店へのリクエスト
・商談や打ち合わせ、親睦といった具体的な目的を伝える。
入店から着席まではスマートに
会食の予定時刻だからと入店や着席は勝手に行わないようにしましょう。
また、幹事や接待者などの「ホスト」と接待を受ける側の「ゲスト」とで違う入店や着席の順番にも配慮がいります。
◆入店のときは「立場」にも気をつけて
・接待の場合はホストが先に入店してチェックインする。
・接待では「接待者」→「取引先」→「自分の上司」の順で入店する。
・自分がゲストの場合は案内されるまで入店せず待っておく。
・自分がゲストでも遅刻厳禁で5~10分前に到着するよう移動する。
◆着席は座る順番を間違えず姿勢正しく
・お店の人が椅子を引いてくれたら必ず相手の顔を見てお礼を述べる。
・ホストでもゲストでも着席したら食事後まで姿勢を正して座る。
会食の席次は上座と下座を見分けて
お店の方が案内してくれるのは席のある場所までです。いくつか並べられた座席の「どこ」に座ればいいのか、それには上座と下座をとっさに見分けることがカギとなります。会食における立場で座るべき位置が違うので、しっかりと位置関係を把握しておきましょう。
◆上座と下座の見分け方
・下座は出入口に近い席……幹事や接待者などのホストが着席。
◆個室の基本的な位置関係
和室であっても洋室であっても個室では出入口から最も遠い席が上座で、出入口に最も近い席が下座です。
◆床の間がある和室の位置関係
和室タイプの個室に「床の間」がある場合は床の間の前が上座です。
◆テーブル席での位置関係
テーブル席に座るときも個室(あるいは店内)の出入り口から最も遠い席が上座です。
◆円卓での位置関係
出入り口から最も遠い席を上座とし、立場順で下座へと配席します。
◆特殊な空間での位置関係
たとえば眺めのいい窓があった場合、本来なら下座の席が上座となるケースもあります。もし、会食が庭園の見える日本料理店や夜景が美しい高層階レストランなどで行われるなら、接待では通常の位置関係にとらわれず最適な座席へゲストを案内しましょう。
着席から退店まで気を抜かずに
どのような目的であっても、ビジネス会食では「ただ食事を一緒に楽しめばいい」というわけにはいきません。着席してから退店するまでマナーに気を配る必要がありますので、ここでは会食の流れに沿って押さえておきたいポイントを確認していきましょう。
◆着席
◆注文
◆お酒
◆食事
接待では、ゲストが食事に箸をつけてからホストもつづきます。ゲストが遠慮している場合は、「どうぞ温かいうちに」「お好きだと伺いましたがお味はいかがでしょうか」など、箸がつけやすくなるよう丁寧にすすめましょう。また、クチャクチャと音を立てないで食べるのもマナーです。
◆気遣い
◆会話
会食での会話がはずむよう、いろいろな話題を頭にインプットしておきましょう。たとえば「木戸に立てかけし衣食住」といって「気候」「道楽(趣味・特技)」「ニュース」「旅」「テレビ」「家庭・家族」「健康」「仕事」「ファッション」「食べ物」「住まい・暮らし」といったテーマを活用するのもポイントです。
◆会計
接待の場合はゲストから見えないところで支払いを済ませます。カード払いや請求書払いなど予約時に支払い方法を確認しておくのもお忘れなく。もし接待をされた側なら、お店を出るタイミングで「すっかりごちそうになってしまい、誠にありがとうございます」とお礼を述べましょう。
会食でのタブーにも気をつけて
ビジネス会食では好ましいマナーだけでなく、やってはいけないタブーにも気をつけなければなりません。ゲストであってもホストであっても相手に失礼のないよう細心の注意を払いましょう。
◆これはNG
・食事中に髪を触る。
・お店の人を大声で呼ぶ。
・自慢話や説教を長々と話す。
・自社の機密情報を漏らす。
・食事の場での通話やメール。
・ゲストが話している途中での離席。
・許可なく写真撮影したりSNSに写真をアップしたり。
まとめ
上司や取引先などとのビジネス会食ではマナーを意識しながらスマートに臨みましょう。
やってはいけないタブーに注意しながら有意義なひとときにすることもマナーです。
本記事では、ゲストでもホストでも大切な会食で失敗しないよう、準備から退店後までの流れに沿ったポイントを紹介しました。
ぜひ、本記事を参考にしながらビジネス会食を大人の所作で過ごしてくださいね。