ブレスト会議とは?効果的にするための進め方とポイント

ブレスト会議の企画や進行を任されても、どのようなものか詳しくわからないと準備ができませんよね。

「そもそもブレスト会議ってなに?」
「ブレスト会議ってやる意味あるの?」
「どうすれば効果的なブレスト会議ができる?」

このように、ブレスト会議にまつわる疑問や懸念事項を本記事で解決しましょう。

◆この記事でわかること

  1. ブレスト会議の特徴やルール、メリットについて
  2. ブレスト会議が無意味といわれる理由や原因について
  3. ブレスト会議の効率や生産性を高める進め方とポイント

ぜひ、本記事を参考にしながら、ブレスト会議までの準備や当日の進行にご活用ください。

ブレスト会議とは

ブレスト会議とは、参加者全員で自由にアイデアを出し合いながら有用性のあるアイデアを見出していく会議方式。「ブレスト」=「ブレインストーミング」の略で、アメリカの実業家であるアレックス・F・オズボーン氏が考案したアイデア創出法のことです。

ブレインストーミングの基本ルール

ブレインストーミングは4つの基本ルールにもとづいて行います。

 

◆ブレインストーミングの基本ルール
質より量:アイデアの内容よりも数にこだわり、できるだけ多くのアイデアを出し合う。
自由奔放:斬新、ユニーク、奇想天外、どのようなアイデアにも可能性を見出す。
結合改善:アイデア同士を組み合わせたり、ひとつのアイデアに変化をもたせたりしながら可能性を広げる。
批判厳禁:どのアイデアに対しても批判せず、あくまでも建設的な質問や提案をしていく。

ブレインストーミングがもたらすメリット

ブレインストーミングには、いくつかメリットがあるので紹介しましょう。

 

◆ブレインストーミングがもたらすメリット
・多様なアイデアを生み出せる。
・ひとつのアイデアが別のアイデアのきっかけになる。
・メンバーの発想力や問題解決能力、コミュニケーション力が養われる。
・アイデアを言語化することで具体的な情報としてチームで共有できる。

ブレスト会議は意味がない?

ブレスト会議はブレインストーミングの考案者であるアレックス・F・オズボーン氏が1953年に発行した著書によって知られるようになりました。

そのため「古い」「時代遅れ」などといわれる側面もありますが、ただ時間的な経過だけを理由に否定されているのではありません。

ここでは、ブレスト会議が非効率的あるいは非生産的といわれている原因について詳しく解説していきましょう。

ブレスト会議は「意味がない」といわれる理由

なぜブレスト会議は「意味がない」といわれるのか、その理由はブレインストーミングのデメリットを検証するとわかります。

 

◆ブレインストーミングのデメリット
・特定のメンバーしか発言しなかったり、限られたメンバーだけで議論が活発になったりする場合がある。
・同調圧力がもたらす集団思考によって、メンバーの立場や場の空気がネックとなり発言を消極的にさせる。
・アイデアを出し合うはずが、メンバーの好き勝手な発言が飛び交うだけで未収穫のまま時間だけが過ぎる。
・厳格なルールなく自由度の高い場となるため、「自分が頑張らなくてもいいだろう」とメンバーが傍観者的意識になりやすい。

ブレスト会議を「無意味」とする研究結果も

米シラキュース大学のブライアン・ミューレン氏らの実証研究では、「複数人が対面式でブレインストーミングを行うグループ」よりも「メンバーそれぞれが個別にアイデアを発表するグループ」の方がアイディアの総数も創造性も上回るとの結果が出ました。このこともブレインストーミングが否定的に見られる一因です。

ブレスト会議を「意味のないもの」にする原因

たとえば、会議が始まってからテーマを発表したり、「会社をよくするためのアイデア募集」など漠然とした議題をかかげたり、趣旨や目的の設定が甘いとブレインストーミングの成果が上がりにくくなります。

また、とりあえずの思いつきを口にし合っても、まとまりのない無駄な時間になるだけ。どこに向かって課題を解決すればいいのかがわからずゴールにたどりつきません。

ブレスト会議の進め方とポイント

ブレインストーミングには「多様なアイデアを生み出せる」といったメリットがありながら、同調圧力や議論が散漫になりやすいというデメリット、メンバーそれぞれが個別にアイデアを発表する方が生産性が上回るといった研究結果などにより「意味がない」「時代遅れ」などと否定的にとらえられている一面もあります。

そこで、ブレスト会議が意味のないものにならず有意義な場となるよう、ここでは効率的な進め方について紹介しますので参考にしてください。

  • ●会議のテーマを設定する
  • ●会議の参加者を決める
  • ●参加者へ事前に共有しておく
  • ●タイムスケジュールを設定する
  • ●ファシリテーター(進行役)を決める
  • ●アイスブレイクとルール説明から始める
  • ●テーマに沿ってアイデアを出し合う
  • ●アイデアを振り返りながらまとめる

それぞれのポイントを見ていきましょう。

会議のテーマを設定する

なにを話し合うのか、たとえば「恒例イベントの企画」「来月度の販売戦略」など会議のテーマを設定しましょう。テーマが漠然としていたり、テーマの幅が広かったりすると議論が成立せず未収穫となってしまうため、より具体的なテーマを設定するのがポイントです。

会議の参加者を決める

テーマが決まったら、対象となる参加者を決めましょう。たとえば、「作業効率を上げるには」など日常業務に関連したものであれば現場社員、「年間目標に則した営業戦略」など事業の方向性に関わるようなものであれば責任者というようにテーマに応じた参加者を選定するがポイント。

また、参加人数が多すぎると「自分が頑張らなくてもよさそう」といった社会的手抜きを招いてしまうため、3名~10名前後で行うのが最適とされています。もし対象者が多数いる場合は会議ごとにメンバーを入れ替えて、アイデアが画一的にならないよう対策してもいいでしょう。

参加者へ事前に共有しておく

なんの告知もせず、ただ参加者を集めてアイデアを出し合おうとしても議論がボヤけるだけです。ブレスト会議の内容が決まったら、参加者へはテーマや目的、目指すゴールなどを事前に共有しておきましょう。

参加者にとってはリサーチや下準備ができますので、テーマに沿った有意義なブレインストーミングが実現しやすくなります。

タイムスケジュールを設定する

たとえ会議内容がシンプルであっても、開始時間から終了時間までのタイムスケジュールをしっかり設定しましょう。時間を意識しながら進めることで参加者が会議に集中できますし、話し合いか雑談かわからないといった議論の散漫を防げます。

ファシリテーター(進行役)を決める

ファシリテーターとは中立な立場で会議を進める進行役。発言する人が偏らないよう、まんべんなく参加者に発言をうながしたり、テーマから逸れた議論をリセットしたりなどして会をまとめる役割があります。

アイスブレイクとルール説明から始める

いきなり本題に入ってはメンバーが積極的に参加しづらいため、まずは「今日のランチ」などの簡単なアイスブレイクで場を和ませるとよいでしょう。そして、どのようにブレインストーミングを行っておくのか、会議でのルールについても説明しましょう。

テーマに沿ってアイデアを出し合う

ブレスト会議では、どのようなアイデアも歓迎するムードづくりが大切です。ユニークで独創的なアイデアがたくさん創出されるよう質よりも量にこだわって、メンバーに積極的に発言してもらうようにしましょう。

アイデアを振り返りながらまとめる

ブレスト会議は「数」にこだわってアイデアを出し合うため、それぞれのアイデアを振り返りながら有用性を検証することが重要。ひとつの興味深いアイデアを発展させたり、いくつかのアイデアを組み合わせて変化させてみたり、テーマのゴールに向かって全員で協議しましょう。

ブレインストーミングを応用した効果的な方法

ブレスト会議を意味のあるものにするため、ブレインストーミングを応用した効果的な方法を取り入れるのもおすすめです。

ブレインライティングでアイデアを出し合う

ブレインライティングとは、メンバーそれぞれがアイデアを紙に書き出してメンバー同士で共有する発想法。ブレインストーミングのように発言しながらアイデアを出し合うのではないため、メンバーが周囲に気兼ねせずアイデアを創出できるメリットがあります。

ブレインライティングの方法

ここでは、ブレスト会議にブレインライティングを取り入れるときの方法を紹介しましょう。

 

◆付箋を使う方法
1. メンバーがそれぞれ個別でアイデアを考えて付箋にたくさん書き出す。
2. メンバー全員から、すべての付箋を回収してシャッフルする。
3. ホワイトボードなどに付箋を貼って全員で共有しながら評価していく。
4. 有用性のあるアイデアを選び、その課題や解決策、代替案などを議論する。

 

◆シートを使う方法
1. アイデアを書き出すためマスに区切った用紙を用意する。
2. 記入シートの上部にブレスト会議のテーマを書く。
3. メンバーはそれぞれ1行分を割り当ててもらい制限時間内に自分のアイデアを書き込む。
4. 記入シートを回しながら前の人のアイデアを参考に書き足していく。
5. 記入シートのマスが埋まるまでアイデアの書き出しを繰り返す。
6. それぞれアイデアをまとめ、その意図や根拠などを発表していく。
7. 有用性のあるアイデアを選び、その課題や解決策、代替案などを議論する。

さらに、ブレインライティングの代表的な手法には「635法」というものがあります。「6人」がそれぞれ「3つ」のアイデアを「5分」で書き出す方法です。

この方法を3回繰り返すと「6人」×「3つ」×「3回」=15分で54個のアイデア、6回繰り返すと「6人」×「3つ」×「6回」=30分で108個のアイデアが生み出される計算。

この方法もシンプルなルールで気兼ねせずアイデア出しに集中できるため、ブレインストーミングの応用としてブレスト会議を効率的かつ高生産性なものとして行えるのではないでしょうか。

まとめ

ブレスト会議とは、参加者が自由にアイデアを出し合いながら有用性のあるアイデアを見出していく会議方式。アメリカの実業家であるアレックス・F・オズボーン氏が考案した「ブレインストーミング」というアイデア創出法を取り入れたものです。

 

◆ブレインストーミングの基本ルール
質より量:アイデアの内容よりも数にこだわり、できるだけ多くのアイデアを出し合う。
自由奔放:斬新、ユニーク、奇想天外、どのようなアイデアにも可能性を見出す。
結合改善:アイデア同士を組み合わせたり、ひとつのアイデアに変化をもたせたりしながら可能性を広げる。
批判厳禁:どのアイデアに対しても批判せず、あくまでも建設的な質問や提案をしていく。

ブレインストーミングには「多様なアイデアを生み出せる」といったメリットがありながら、同調圧力や議論が散漫になりやすい環境というデメリットもあり「意味がない」「時代遅れ」などと否定的にとらえられている一面もあります。

とはいえ、会議の進め方を工夫したり、効率や生産性にこだわったルールで実施したりすることで有意義な場となるため積極的に導入されるようになったのも事実。

ぜひ、本記事を参考にしながら、会議の目的やテーマ、参加者層に合わせた方法で効果的なアイデア出しを実現してくださいね!

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