ホテル宴会場の利用を増やして売上を伸ばすには、どうすればいいのでしょうか。
「客数や客単価を上げたい」
「新規集客を効果的に増やしたい」
「売上を上げるための戦略を立てたい」
このように、ホテル宴会場が抱える課題を解決しながら売上アップにつながる取り組みを実践しましょう。
◆この記事でわかること
- ホテル宴会場の抱える悩ましい現状について
- ホテル宴会場の売上アップに向けた実践的課題
- ホテル宴会場の売上アップを狙ったマーケティング戦術
本記事をご活用いただければ、ホテル宴会場の売上アップにつながるセールス×マーケティングのハイブリッド方式で「攻めの営業」にも「守りの営業」にも積極的に取り組めるはずです!
ホテル宴会場の抱える悩ましい現状
ホテル宴会場の売上アップを図る前に、まずはホテル宴会場が抱える悩ましい現状に触れておきましょう。
- ●大人数で開催される宴会が減少している
- ●需要や稼働率を十分に把握できていない
- ●宴会における客数や客単価が伸びない
これら現状の問題点を明らかにし、その原因を把握することで売上アップに向けた「打つ手」が見えてきます。
大人数で開催される宴会が減少している
新型コロナウィルスの影響により、感染リスクへの懸念から大人数での宴会は減少傾向にあります。また、リモートワークの普及や若者世代のアルコール離れ、飲みニケーション文化の衰微といった社会の変化も影響。
さらに、企業によっては歓送迎会や忘新年会など会社主催の宴会をコスト削減の対象としています。
このような様々な社会的背景により、ホテルでの宴会の規模や開催数が縮小され、結果的にホテル宴会場の売上の減少や伸び悩みにつながっているというケースは少なくありません。
需要や稼働率を十分に把握できていない
ホテルでの宴会需要や宴会場の稼働率は売上に直結する重要な指標です。しかしながら、宿泊に比べて圧倒的に「数」が少ないため宴会の需要予測は容易ではなく、景気動向に左右されやすいことから過去のデータが参考にならないのも難点です。
さらに、施設の性質上、会場の利用回数には制限があるため需要に応じて供給の調整もできません。
また、宴会場の稼働率は供給に限りがある中で販売を制限したり、逆に販売を強化したりする上での大切なファクターでありながら、販売戦略に具体的に生かされていない実情もあります。
宴会における客数や客単価が伸びない
ホテル宴会場の売上は客数と客単価で決まります。まず、客数は会場の規模や仕様など「供給」に関連したものと、セールスやプロモーションなど「集客」に関連したものとに影響されますが、この両方に戦略的にアプローチしなければ、おのずから増えるものではありません。
また、客単価を上げるには宴会プランや食事の提供スタイルなど「販売」に関連した改善や創意工夫、キャンペーンを定期的に行うことが重要です。ただ既存メニューの価格を上げるだけで客単価が上がるものではありません。
いずれも、サービスのマンネリ化やシステムのパターン化などによるものであれば、詳細な現状分析から取り組む必要があるでしょう。
ホテル宴会場の売上アップに向けた実践的課題とは
ホテルの宴会場が抱える悩ましい現状を打破するため、ここでは売上アップに向けた実践的な課題について解説します。
- ●宴会場の需要予測を立てる
- ●稼働率に合わせて販売を調整する
- ●客数アップのための対策を練る
- ●単価アップのための工夫をする
- ●既存客へのアプローチをする
- ●宴会場の多様な用途を提案する
- ●新規客を増やすための戦略を考える
それぞれの課題ごとにポイントや対策を確認していきましょう。
宴会場の需要予測を立てる
ホテル宴会場の需要予測は、宴会利用のデータ化に必要な母数の少なさや景気動向の影響を受けやすい点から前例が適用されにくいため難しい課題とされています。しかし、数値にもとづかない方法で予測を立てることはできます。
その一例を紹介しましょう。
定例案件とは、毎年、毎月、毎週と一定の時期に繰り返し発生する事案のこと。ホテル宴会場においては、宴会やパーティ、イベントなどの定期的な利用や特定の利用客からの需要を見通していきます。
新規予約の予測が立てづらくとも、すでに受けている予約が「仮予約」→「確定予約」→「最終予約」と移行する中で「減少」することへの予測は立ちます。したがって商談の進捗状況を確認しながら、早期に契約をまとめたり、新たな営業をかけたりなど実務に落とし込むことが大切です。
このように需要予測を立てることで、可能な限り供給の調整ができます。具体的な方法として挙げられるのが「レベニューマネジメント」という管理手法で、需要と供給のバランスに応じて売上と利益を最大化させる販売戦略が特徴。
たとえば繁忙期と閑散期で価格を上げ下げしたり、需要が高い日は売上の見込みが高い案件を優先的に受注したりと、在庫を繰り越せないホテル宴会場においては必須の方策です。
稼働率に合わせて販売を調整する
ホテル宴会場の稼働率を算出することで、これからの販売戦略に生かせます。
※ 1日あたり3回利用されたと仮定
稼働率は「販売された宴会場の面積 × 回転数」を「全宴会場の面積 × 3回転」で割って算出します。
稼働率を明確にすることで、過去の同月と比較したり、翌月以降の状況を分析したりしながら、稼働率の高い日には制限をかけ、逆に稼働率が低い日には積極的なプロモーションを行うなどの販売調整ができます。
ただし、宴会場の用途によって利用状況が変わるため、できれば「時間帯別」「曜日別」「月別」といった形で算出するのが効果的です。
客数アップのための対策を練る
ホテル宴会場の客数を増やすためのアプローチは2つ。
たとえば、6人テーブルを10台セットした宴会場では最大60人が収容可能ですが、ここに「7人」あるいは「8人」と座れるようにすれば収容可能人数が10人~20人と増やせます。また、着席スタイルではなく立食スタイルであれば、より多くの人数が収容可能。
つまり、会場のレイアウトを変更したり、パーティスタイルの提案を変えたりしながら、利用客のニーズに合わせることがポイントです。
同じ宴会場でも、回転率が上がれば1日の客数は必然的に増えます。
では、回転率を上げるための課題はなんでしょうか。
- 宴会場の利用時間に制限を設ける。(例:90分飲み放題、滞在2時間制など)
- 宴会場の用途を時間別に分ける。(例:「ランチ会」→「会議」→「パーティ」)
- 宴会場のレイアウト変更に対応できるようスタッフを育成する。
このように、宴会場の活用法から会場セッティングまで社内外に向けた課題があります。これらの課題を解決するためには、セールスやプロモーションのほか、社内研修、社内ミーティングなどの強化も必要です。
単価アップのための工夫をする
ホテル宴会で単価を上げようと、ただ既存メニューの価格だけを上げても単純に売上アップにはつながりません。
単価アップのための方法はいろいろがありますが、ここでは、すぐに対応できる3つのアイデアを紹介します。
たとえば、宴会コースが「4,000円」「5,000円」「6,000円」と各1コースが3パターンあるとします。いわゆる「松竹梅」のようなグレード分けです。
もし「4,000円」のコースが最も売れているのであれば、「5,000円」のコースの数を2つ、3つ増やすことで「5,000円」のコースが注文される確率が上がります。もちろん、メインを豪華にしたり、品数を増やしたりなどして内容を充実させることも重要。
また、最も売れていないのが「6,000円」のコースだとすれば、国産食材で差をつけたり、デザートや乾杯ドリンクを付けたりして「4,000円」「5,000円」にはない特別感を出すことも効果的です。
たとえば、宴会コースが「5,000円」「6,000円」「8,000円」あるとして、最も高い「10,000円」のコースを追加します。ほかのコースと比べて圧倒的に料理のグレードを上げ、さらに、飲み放題ならシャンパンや山崎ウイスキーなどハイグレードなお酒、モクテルをはじめとする種類豊富なノンアルコールドリンクもオーダー可能にして差別化。
このように最も高いコースの価格と内容をグレードアップさせることで、これまで売れにくかった「8,000円」のコースの販売が伸びたり、エグゼクティブ客から「10,000円」コースのオーダーが増えたりと単価アップの可能性が広がります。
たとえば、「フルーツ」「ローストビーフ」「パスタ」など、どのコースにも追加できるオプションメニューを設定します。1人当たり500円程度でオーダーしやすくするほか、販売促進のため「季節の」「旬の」「シェフ特製」「自家製」「○月限定」といったフレーズが使えるようメニュー内容も工夫するとよいでしょう。
既存客へのアプローチをする
たとえば、よく利用してくれる「顧客」や定期的に大きな発注をしてくれる「上得意客」などへのルート営業、フォロー活動は基本中の基本です。
しかしながらホテル宴会場における「既存客」は過去の利用者だけではなく、ランチやディナー、モーニングでの来客者、宿泊者、結婚式場がある場合はその際の新郎新婦や親族などホテルユーザーすべてが対象となります。
もし氏名や住所などの顧客情報を取得しているのであればDMやメールなどでのプロモーションが可能です。また、レストランや客室などにチラシやパンフレットを備えておけば、ゲスト利用時の効果的なPRにもなります。
いずれの場合も、ただ宴会受付をするのではなく、自社ホテルや提携企業が主催するイベントなどを積極的にアピールすることで集客増や売上アップにつながりやすくなるでしょう。
宴会場の多様な用途を提案する
ホテル宴会場を宴会以外の用途でも利用してもらえると、より多くのニーズに応えられますし、ターゲットも拡大できます。
このように多様な用途に対応できれば関連企業や対象業界へのセールスの機会が増えるため、「待ちの営業」だけでなく「攻めの営業」にも積極的に取り組めるでしょう。
新規客を増やすための戦略を考える
どの業界においても売上アップに直結する重要課題は新規集客です。いわゆる「顧客ピラミッド」からわかるように、「新規客」=「潜在客」「見込み客」の集客を増やさなければ「利用客」や「顧客」「上得意客」の数も増えませんから、最も注力したい課題といえるでしょう。
しかしながら、最もハードルが高く、最もコストがかかるテーマでもあるため効果的なアプローチで取り組みたいものです。次の章では、この新規集客という課題をクリアするための具体的なマーケティング戦術について紹介していきます。
ホテル宴会場の売上アップを狙った集客マーケティング戦術11選
ホテル宴会場の売上アップを狙うため最も「肝」となるのが集客課題の解決です。
ここでは、より多くの受注につなげる「売るための仕組みづくり」として実践的な集客マーケティング戦術をご紹介。
まずはマーケティングを導入するにあたり、押さえておきたいポイントを確認しておきましょう。
- 会場の強みやアピールポイントを再検証する。
- 多様なニーズに応えられる用途を再設定する。
- ターゲットを明確にして核心的に提案していく。
- 競合他社の手法や施策、成功事例を参考にする。
このようにマーケティング戦術の導入におけるポイントを踏まえながら、自社にふさわしいもの選択していきましょう。
【1】SNS運用
SNSとは「ソーシャルネットワーキングサービス」を略したものでソーシャルメディアとも呼ばれる情報発信システムです。
公式HPや公式ブログに比べると情報の拡散力や拡散スピードが優れているためイベントの宣伝やプロモーションに活用されます。
SNSの代表的なものを挙げておきましょう。
- ●文章投稿型 … X(旧Twitter)・LINE・Facebook
- ●写真投稿型 … Pinterest・Instagram・Snapchat
- ●動画投稿型 … TikTok・YouTube・Instagram
- ●ライブ配信型 … SHOWROOM・YouTube・Instagram
それぞれのSNSの特徴を生かしながら、ユーザーの属性に合わせた使い分けでの活用がカギとなります。
【2】SNS広告の運用
SNS上に掲載される広告をSNS広告といいます。ユーザーの年齢や性別、居住地域などの属性に合わせた高精度なマーケティングが可能。
ユーザーに表示される広告を最適化した「アルゴリズム」という仕組みにもとづいているため、潜在客や見込み客へのアプローチにも効果的です。
一方で、いわゆる「炎上」や情報漏洩、誹謗中傷などのリスクもあるため、企業イメージや経営に悪影響を及ぼさないようリスクマネジメントしておく必要があります。
【3】公式LINEの開設・運用
ホテルあるいは宴会場のLINE公式アカウントを開設すれば、施設に関心をもってくれているユーザーと直接つながれます。
たとえば毎月の行事やイベントを告知したり、お得な情報を届けたり、クーポンコードを送信したり、アンケートに協力してもらったりなど活用法は多様です。
【4】ホームページ開設・SEO対策
ホームページとはオンライン上で閲覧してもらう企業パンフレットのようなもの。
もちろん利用予定のユーザーが主体的にアクセスする場合もありますが、SEO対策といって「検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)」の施策は必須です。
SEO対策をしておくことで、たとえば「ホテル 宴会 東京」といったキーワード検索に対して自社サイトを上位表示させられる可能性が高くなります。
また、ホームページ内で宴会やパーティに特化したブログを掲載すれば、ホームページへの効果的なアテンドにもなります。
【5】Googleビジネスプロフィール登録・MEO対策
GoogleビジネスプロフィールとはGoogleマップ上で自社の情報を表示できるツールのこと。住所や電話番号のほか、営業時間、アクセス、写真、メニュー、特典、口コミ、最新情報などを自由に管理できるのが魅力です。
さらに、Googleマップなどの地図検索結果で自社ホテルを上位表示させるためMEO対策(Map Engine Optimization)をしておくと宣伝効果が上がります。
また、GoogleビジネスプロフィールとGoogle広告を連携させれば、Google検索やGoogleマップでのローカル検索広告として地域密着型の集客アップが狙えるでしょう。
【6】リスティング広告の運用
リスティング広告とは、「ホテル 宴会 東京」などユーザーが検索をかけた特定のキーワードに連動してテキスト形式で表示されるWeb広告のこと。
ユーザーの関心にマッチした訴求力の高い広告が表示されるため、費用対効果の高いマーケティングであるといえます。
【7】ディスプレイ広告の運用
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリなどの広告枠に表示される広告のこと。検索エンジンの広告枠を買い取って広告を出稿する手法で、バナー広告とも呼ばれます。
テキスト形式でのリスティング広告と違い、画像や動画を使用したバナー形式での表示が主流ですので視覚的に強い訴求力が強みです。ユーザーの関心を引きやすく大きな宣伝効果が期待できます。
【8】YouTube動画の運用
YouTubeは動画配信に特化したSNSツールですので、文章や画像だけでは届けられない多くの情報を発信できます。
たとえば、ホテル宴会場であれば会場内やホテル館内を映したPVを制作したり、さまざまな会場レイアウトを紹介したり。
ユーザーの視覚に臨場感ある映像を届けることで、ユーザーが自社を利用するイメージをわかせやすくなります。
【9】キャッシュレス決済の導入
キャッシュレス決済とは、お札や硬貨(現金)を使わず、クレジットカードや電子マネー、QRコードなどで支払いを済ませる決済方法のこと。
キャッシュレス決済をマーケティングに活用することで、新たなユーザー層へのアプローチはもちろん、外国人利用客への対応にも有効です。
また、利用客のキャッシュレス決済によって顧客データが収集できるほか、リマーケティングで再来場や再利用を促進できるメリットもあります。
【10】自社関連メディアへの掲載
自社に関連したメディアに掲載されることで宣伝効果が上がるだけでなく、ユーザーからの信頼も得やすくなります。もちろん掲載料が発生しますが、新規出店や周年記念といった節目での活用はおすすめ。
また、メディアに興味をもってもらえれば掲載料なしで自社情報を発信してもらえる可能性もあります。
たとえば、地域密着型のイベントやユニークな取り組み、社会貢献活動などの様子をSNSで拡散したり、インフルエンサーに紹介してもらったりすることでメディアの目にとまり取材依頼が来ることはめずらしいことではありません。
【11】検索サイトへの掲載
ホテルであれば宿泊予約に特化したWebサイトの活用が適しますが、ホテル宴会場の場合は宴会・パーティ向けの検索サイトに自社情報を掲載しましょう。
所在地やアクセス、外観、内観、施設設備のほか、バンケットごとのキャパや収納可能人数、宴会プラン、料金システムなどユーザーが求める情報を掲載しながらユーザーからダイレクトに問い合わせてもらえるので、その後の効率的な営業活動に生かせます。
ハイブリッド方式でホテル宴会場の集客課題を解決しましょう!
ホテル宴会場の売上に直結する集客課題については、前章で具体的なマーケティング戦術を紹介しました。売上アップにつなげていくためには、従来型のセールスと並行しながらマーケティング活動を行うことが重要です。
●マーケティングとは、売るための「仕組み」を作ること。
マーケティング戦略を磨けばセールスの幅が広がりますし、セールス対象も拡大します。また、セールスでの「攻めの姿勢」も高まるでしょう。
もちろん担当者ごとの役割分担や活動範囲などの課題もクリアする必要がありますが、「セールス」×「マーケティング」のハイブリッド方式はホテル宴会場が抱える集客課題の解決に大いに活用できるはずです。
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ぜひ、今後の新規集客マーケティング戦術のひとつとしてご活用ください。